快人69面相 -小林少年の夏の思い出 4

日曜日, 5月 30, 1993

 腰の抜けそうなドライブの後で、やっとたどり着いたキャンプ場は、ちょっとした森の中にありました。二人して本物のテントを張り終えた後で、
「じゃあ、俺は、食料を車から降ろすから、寝られるようにしといてくれ……。」
広田君は意味あり気にウィンクして、テントから出ていきました。
「……。」
小林少年は赤面しながらうつむいたのですが、やっと平常に戻っていた下半身がまた元気に勃ち上がり始めているのでした。
「また、こんなに元気になっちゃった……。」
小林少年は、テントを張ったショートパンツの先端をそっと撫でてみました。すると、それだけで、ずーん、としびれるような感覚が腰のあたりに広がって、
「うっ……。」
立っていられなくなって、丸めたままの寝袋の上に腰を下ろしてしまいました。さっきのドライブの興奮にまた火がついたようです。
「このままじゃ、我慢できない。」
淫乱小僧の小林少年は、ショートパンツを膝まで下ろして、ビキニブリーフの中で窮屈そうにしているものを、ぎゅっ、とつかみました。
「ど、どうしよう……。」
ビキニブリーフの盛り上がりの先端には大きな濡れ汚点ができています。
「はやく、広田さんが戻ってきてくれればいいのに……。」
きっと広田君なら、こんなふうに自分でエッチなことをしている小林少年に、きついお仕置きをしていくれるに違いないからです。
「ぼ、僕……。」
小林少年は、とうとうビキニブリーフのゴムに指をかけてしまいました。すると、その時、
「な、何をするんですか。」
がさっと音がして、小林少年は後ろからいきなりタオルで目隠しをされたのです。
「静かにしろ。」
押し殺したような男の声に、小林少年はてっきり広田君がいたずらしに戻ってきたんだと思って、
「や、やめて下さい。」
と、口では言いながらも、ほとんど抵抗らしい抵抗をしませんでした。それどころか、アブノーマルな設定に興奮して、ビキニブリーフの布に粘液の濡れ汚点をあふれさせたくらいです。それをいいことに、
「素直な奴だ……。」
男は、ロープのようなもので小林少年の手首を後ろ手に縛ろうとするのです。
「痛い……。」
そうしていつのまにか、小林少年はすっかり自由を奪われていました。アパートのベッドの上であんなにがつがつしていた広田君とは、別人のような用意周到さです。こんなことをしなくても小林少年が抵抗したりしないのはわかっているくせに、
『いったいどうしたんだろう。』
と小林少年は不安になりました。
「暴れるんじゃない。」
男の声も、広田君の声とはずいぶん違っているようで、
「お、おまえは……。」
おかしいと小林少年が気づいたときには、抵抗したくても抵抗できないようになっていました。
「どうやら、勘違いしていたようだな。」
男の含み笑いを聞いた小林少年は、真っ青になってしまいました。
「助けて……。」
大声で助けを求めようとしましたが、
「騒ぐな。」
タオルで猿ぐつわをされてしまっては、助けを求める声も空しく喉の奥で響くだけです。
「僕をどうするつもりなんだ。」
小林少年は、不安に駆られてそう叫びましたが、猿ぐつわのせいで言葉になりません。
 その男は、小林少年を手早くうつぶせにすると、小林少年の腰を締め付けていた小さめのビキニブリーフをくるりとむくようにして、小林少年の尻をむき出しにしました。見知らぬ男にいたずらをされているというのに、小林少年の下腹部は、締め付けていたビキニブリーフから解放されて、ぐうん、といっそう伸び上がったのです。そして、恥ずかしいことに、
「あっ……。」
さっきからあふれていた透明な粘液のせいで、それはぬるぬるになっています。その元気棒を、腰から回した男の手が乱暴に握りました。自分がすっかり興奮していることを知られてしまって、
「そ、そんな……。」
小林少年は、全身が、かっ、と熱くなりました。男は、小林少年の興奮をもてあそぶように、ぬるぬるの元気棒をゆっくりとしごきます。小林少年は、もう、すっかり観念してしまいました。
「ふふっ。」
男の含み笑いの意味を、小林少年は、自分の棒がぬるぬるになってしまっているからだと勘違いして、唇をかんでうつむきました。けれども、男が含み笑いをしたのは、本当は、そういう意味ではなくて、
「あっ。」
小林少年の尻の穴に、男の指が何やらぬるっとしたものを塗り付けたのです。
「……。」
やっと、事態を悟った小林少年ですが、もうどうすることもできません。小林少年が、うずくような感覚への期待に体を堅くしていると、
「うっ。」
いきなり、小林少年の尻に熱いものが押しつけられました。
「も、もっとゆっくり……。」
小林少年の体の中に、男の太いものが無理矢理押し入ってくるのです。
「ううっ。」
男の肉棒は、みしみしと小林少年の体に侵入してきます。気が遠くなってしまいそうな小林少年の耳に遠くから、
「おーい、小林君。」
小林少年を呼ぶ、広田君の声が聞こえてきました。
「ちぇっ。」
広田君が帰ってきたらしい気配に気づいた男は、ずるっ、と小林少年から堅いものを引き抜くと、大急ぎでテントから出て行きました。
「ううっ。」
いきなり引き抜かれた小林少年は、猿ぐつわの奥で思わず声をあげてしまいましたが、それは痛かったからというよりも、中途半端なまま抜かれてしまったのが不満だったからのようです。
 小林少年は、急いで自分の恥ずかしい状態を何とかしようとしましたが、後ろ手に縛られていてはどうしようもありません。広田君は、テントの中の小林少年を見て、絶句してしまいました。
「こ、小林君……。」
小林少年は、下半身をむき出しにされて、うつぶせのままに放り出されています。しかも、後ろ手に縛られて、猿ぐつわまでかまされているのです。
「いったいどうしたっていうんだ。」
広田君は、小林君の格好にびっくりしてしまって、どうすればいいのかわかりません。
「だいじょうぶか?」
広田君に抱き抱えられて猿ぐつわを外してもらいながら、小林少年は、
「ぼ、僕……。」
さすがに、今まで尻の穴を見知らぬ男の太い肉棒で犯されていた、とは言えなくて、思わず赤面してしまいました。
「おや……。」
しかも、むき出しの下半身は、ぴんぴんに勃ち上がったままなのです。
「ぬるぬるじゃないか……。」
広田君が指で、ピンク色の頭にあふれ出した粘液を敏感な部分に塗り広げたりするので、小林少年はまた、
「ううっ。」
と、声をあげてしまいました。
「きみは、縛られるのも好きだったのか。」
そんなことを言っている場合じゃない、と、小林少年は思ったのですが、
「ああっ……。」
広田君の指が、ずるずると敏感な部分をこすっているので、抗議をするどころではありませんでした。
「縛られただけで、こんなにきんきんに勃てるなんて……。」
縛られただけじゃない、と小林少年は言いたかったのですが、
「……。」
小林少年にできるのは、ぴんぴんに勃ち上がったものを、ひくん、とけいれんさせることだけでした。
 さすがに、このままではかわいそうだと思ったのか、広田君は、名残惜しそうに小林少年を後ろ手に縛っているロープを解き始めました。
「どうしてこんなことになっちゃったんだ?」
広田君は、小林少年にそう尋ねましたが、
「……。」
まだ下半身に興奮が残っている小林少年は、広田君の質問の意味さえわかっていないようです。
「しょうがないなあ。」
広田君は、小林少年のむき出しの下半身に、ビキニブリーフをはかせてやろうとして、
「おや、こんなところまでぬるぬるになっているぞ。」
小林少年の尻にぬるっとしたものがついているのに気がつきました。
「え?」
きっと、さっきの男が塗り付けたものに違いありません。小林少年の尻の穴についていたものを指に取って匂いを嗅いでいた広田君は、
「これは、マーガリンだな。」
と断定しまいした。
「ふいてやるから、四つんばいになって……。」
広田君は、わざと小林少年に恥ずかしいポーズを取らせようとするのです。
「じ、自分で拭くからいいです……。」
誰ともわからない男に押し入られてすぐの尻の穴を広田君に見られると思うと、小林少年は、全身が、かっ、と熱くなっていました。
「ほら、さっさとしろよ。」
広田君は、にやにや笑いながら、無理矢理小林少年を四つんばいにしました。そして、
「あーあ、こんなにべとべとにされちゃって……。」
小林少年の尻の割れ目をティッシュペーパーで、ぐいっ、と拭き取りました。
「あっ、……もっとゆっくりやってよ。」
ついさっきまで堅いもので押し広げられていたので、小林少年の尻の穴の周りは敏感になっています。
「本当は興奮しているくせに、……じゃあ、これは一体なんだ。」
広田君は、そう言って小林少年の下腹部に腕を回すと、また、勢いよく勃ち上がり始めた淫乱棒を、ぎゅっ、と握りました。
 やっとショートパンツのテントが大人しくなった小林少年に、
「どういう男だったんだ?」
広田君は尋ねました。けれども、
「いきなり目隠しをされちゃったので、全然わからなかった。」
小林少年は、まともに答えることができません。広田君は、不思議そうに、
「目隠しをされてから、縛られたのか?」
と、小林少年の答えたくないことを尋ねてきます。
「うん。」
しょうがないので、小林少年はこっくりと小さくうなずきました。
「どうして、抵抗しなかったんだ。」
そう言われても、さすがに『広田君にいたずらされていると思ったから』とは言えなくて、小林少年はうつむいてしまいました。
「君が本気で抵抗すれば、縛られたりしなかったろうに……。」
目隠しをされたときに、ちょっとおかしいと思いながらも抵抗しなかった自分の淫乱さに、小林少年は穴があったら突っ込んでもらいたい、いや、入りたい気持ちです。
「それから?」
小林少年が、うつむいて赤くなっているのに追い討ちをかけるように、広田君が小林少年に先を促しました。
「それからって、いきなりショートパンツをビキニブリーフといっしょに脱がされちゃって……。」
思い出すだけで、せっかく大人しくなっていた小林少年の下腹部は、またぴんぴんになってしまいます。広田君は、
「かわいい小林君をこんな目にあわせた犯人をそのままにしておくわけにはいかないな。俺が捕まえてやる。」
と、ちょっと憤慨して、立ち上がりました。でも、本当は、まだ味見をしていない小林少年の尻の穴を、先に誰かにいたずらされてしまったのがくやしかったのです。
『広田さん、男らしくてかっこいいな。』
そうとは知らない小林少年は、そんな広田君をうっとりとながめています。でも、その小林少年の視線は広田君の逞しい下半身にあったりして、小林少年のほうもちょっと勘違いしているようです。それに、広田君も口では勇ましいことを言っていますが、本当に犯人を捕まえたりすることができるのでしょうか。
「とにかく、聞き込みに行こう。」
広田君は、小林少年を連れて、自分たちのテントを出るととりあえず、隣のテントに向かいました。