こけし太郎

金曜日, 2月 28, 1986

 そして、次郎が山へ出かける時も、次郎は太郎の体に悪戯をしていくのです。
「兄さん、行ってくるよ。」
出かけていく次郎を、太郎が見送りにでてくると、
「兄さん、自分でこいつを悪戯しちゃ駄目だよ。」
次郎は、太郎の着物の裾を割って手を入れ、さっきまでさんざんなぶられて、まだ根元のほうに充血感の残っているものを、ぐっ、と握るのです。
「そ、そんなこと……。」
実は、太郎は、次郎の帰りが待ちきれずに、いつも自分で悪戯してしまうのでした。ですから、太郎は、次郎の言葉に返事ができなくて、そのかわりに赤面してうつむいてしまいました。
「もし、自分で出したりしたら、帰ってきてからお仕置きだぞ。」
次郎のその言葉に、太郎は、思わず、下腹部を、びくっ、とけいれんさせてしまいました。
 次郎が意味ありげな目配せをして出かけてしまった後、太郎は、なんとか次郎の言葉を気にせずに、いつもの仕事をしようとするのですが、そうすると、余計に褌の中のものが気になってしまって落ち着きません。
「次郎が変なことを言うから……。」
わざわざ褌をきつく締め直してみたりするのですが、そうするとそれが刺激になって、なんとか小さくなっていたものが、むくむくと大きくなってきてしまいます。
「ああっ……。」
変な方向に勃ち上がってきたものを楽にしようと、前褌の脇から指を入れて堅くなってしまったものを支えると、それだけで声が出てしまう始末です。
 そうなってしまうと、もう、どうしても我慢できません。
「こんなに褌で締め付けては、こいつがかわいそうだから……。」
適当な言い訳を考えて、太郎は、腰に手を回して褌の結び目をゆるめてしまうのです。
「次、次郎……。」
次郎のちょっと荒っぽい手つきを真似て、さっきから快感に飢えているものを、ぎゅっ、と握ると、太郎はもう夢中になってしまって、周囲のことなんか目にも入りません。それどころか、
「ああ、次郎っ!」
例のこけしを取り出して、自分の口に突っ込んでなめ始めてしまいました。何度も太郎の体に埋め込まれたり、太郎がなめたりしているせいか、それは、木でできているとは思えないほどしっとりして、なめらかな感じがします。
 太郎は、もう一方の手でしっかりと握り締めた自分の下腹部のこけしをぐいぐいと扱くのですが、どうしてもそれだけでは物足りません。
「何とかしてくれよ、次郎……。」
せつなげに息を吐きながら、太郎は、さっきまでなめていたこけしを、自分の尻に近づけていきました。
「う、うっ……。」
もうすでにしっとりとぬめっているこけしは、太郎の尻の穴にあてがっただけで、ゆっくりと太郎の体の中に吸い込まれていくようです。
「も、もっと……。」
太郎は、こけしを持ち替えて、ぐっ、と体の奥深くを突っ込もうとしました。すると、その時、自分の股間越しに、仁王立ちになっている次郎の姿を発見した太郎は、息もできないくらいに驚いてしまいました。
 両足を大きく開けて、大きな二本のこけしを、一本は股間にそびえ勃たせ、もう一本は尻の穴に埋め込んでいるという恥ずかしい姿に、太郎は言い訳のしようがありません。
「やっぱり自分で悪戯して、仕方のない兄さんだなあ。」
次郎は、にやにや笑いながら太郎に近寄ってきます。太郎は、穴があったら突っ込んでもらいたい、いや、入りたい気分です。
「こんなことまでして……。」
そう言いながら、次郎は、太郎の体の中に突っ込まれたこけしをゆっくり動かすのです。
「駄、駄目だよ、次郎……。」
恥ずかしくてどうしようもないはずなのに、次郎の手がこけしを動かすと、太郎の下腹部にどうしようもないもどかしい感覚が広がって、太郎の声はすっかりうわずってしまっているのです。
 尻の穴にこけしを出し入れされながら悶えている太郎を見つめている次郎の下腹部は、もう、そのこけし以上に、堅く、大きく勃ち上がっています。次郎は、もどかしげに、褌の脇から本物のこけしを引きずり出しました。それは、すでに粘液でてらてら赤黒く輝いています。それから、
「こんなもの……。」
次郎は、手荒く、太郎の体からこけしを抜き取ると、
「あっ……。」
まだ、こけしの形のままの空洞を残している太郎の尻の穴に、褌の脇から突き出しているこけしを、ぐっ、と押し当てて、
「次、次郎……。」
そのまま体重をかけていきました。
「嬉しいだろう、兄さん。」
熱く猛り勃ったものに貫かれて、その充実感に、太郎は、
「ああっ……。」
思わず声をあげてしまいました。
「もっと深く突っ込んで欲しいかい、兄さん?」
次郎が腰を突き出すようにすると、ずぶずぶ、と次郎の体が太郎の体の奥深くまでめり込んでくるのがわかりました。
 そのまま、次郎は、ゆっくりと腰を動かしながら、太郎にこけしを突きつけて、
「こいつと、俺と、どっちが気持ちいい?」
と尋ねるのです。やっぱり、こけしより、本物の次郎のほうがいい、と思いながらも、太郎は、恥ずかしくてそんなことは言えません。
「言わないと、やってやらないよ、兄さん。」
次郎は、太郎が恥ずかしがるのを面白がって、いつもこんなことを言わせようとします。
「次郎のほうが……いい。」
そのたびに、太郎は、弟におもちゃにされている自分が恥ずかしくて仕方がないのですが、
「俺の、何がいい?」
無理に恥ずかしいことを言わされるたびに、自分の股間にいきり勃ったものから、透明な粘液が、つつっ、とあふれ出してしまうのをどうしようもありませんでした。