俺の贈り物 3

火曜日, 7月 31, 1984

 自分の汚したサポーターをなめている奴の息子は、もっとわいせつな刺激を欲しがって、脈打ちながら下腹部から勃ち上がっていた。きっと、もう、出したくてたまらないのだろう。
「よし、もういい。」
俺がそう言うと、奴はサポーターから顔を上げたが、その表情には欲求不満がありありと現れていた。
「検査してやるから、そのサポーターを寄越せ。」
奴が差し出したサポーターは、さっきの粘液と奴の唾液とで湿っぽかった。
「俺の大切なサポーターをぬるぬるにしやがって、そんなに出したいのか。」
俺の嘲笑に、奴は、返事のかわりにうつむいたが、奴の息子は快感への期待に大きく反り上がった。
「そんなに出したけりゃ、いかせてください、といってみろ。」
おまえのカチンカチンになった息子を見れば、おまえが発情していることなんかすぐわかるんだぞ。
「い、いかせてください。」
さっきからのおあずけに、とうとう奴も我慢できなくなったらしい。だが、
”いかせてください。”
だけでおまえをいい気持ちにしてやるわけにはいかないからな。まさか、おまえだって、俺が、おまえの息子をしごいて発射させてやるなどとは思っていないだろ?
「よし、それじゃあ、まず、身体検査だ。」
奴の表情が、ちら、と動くのが面白い。もうちょっといたぶってからでなければ、おまえをいかせてやろうなんていう気にはなれないからな。
 俺は、部屋の隅から。ディレクタチェアを引きずり出してきて、机の前に腰を降ろした。
「何をぐずぐずしてるんだ。せっかく俺が、おまえの身体を検査してやる、って言ってるんだぞ。さっさと机の上に上がれ。」
奴は、おずおずと、そのくせ、下腹部だけはピンピンに勃てたまま、机の上に上がろうとした。
「馬鹿野郎。そんなふうにしたんじゃ、おまえの体が見えないだろう?世話の焼ける奴だ。俺に向かって、机に腰をかけてみろ。」
奴にも、ようやく、俺の目的がわかったらしい。
「こう、ですか?」
奴の伸び上がった息子が、俺の目の前に突き出された。
「こんなに勃ってる息子を人に見せつけて、よく恥ずかしくないな。」
もっと恥ずかしくしてやるからな。
「こんなにでかい息子じゃ、サポーターで押さえつけても、全然、効果がなかったんじゃないか?」
奴は、うつむいたまま、
「先輩にも、よく、そう言って叱られました。」
ぼそぼそと言った。
「おまえのことだから、街を歩いているときも、勃ちっぱなしだったんだろう。」
何気なく言ったら、
「で、でも、先輩が、いろいろ俺にいたずらをするから……。」
奴は、そう白状した。まったくあきれた話だ。いたずらして、奴が息子を堅くしてしまっても目立たないように、ぴちぴちのサポーターで締め付けさせておくなんて。あいつの考えつきそうなことだ。
「俺、サポーターで押さえてても、ジャージとかがその形に盛り上がっちゃうから、いつも恥ずかしくて……。」
恥ずかしいけれど、もっといたずらして欲しかったんだろう。スケベな奴だ。
 奴は、俺の目の前の机に腰をかけて、居心地悪そうにもじもじしている。きっと、奴も、俺の目の高さに自分の勃ちん坊があることに気づいていて、何とかして隠そうとしているのだろう。
「でも、俺が、おまえの体に全然触っていないのに、おまえの息子は、さっきからビンビンに勃ったままじゃないか。」
奴は、
「そ、それは……。」
何か言い訳し始めたが、
「本当は、何にもされなくても、男が近くにいるだけで、いたずらされたくて勃ってるんだろう?」
息子のほうは、正直に、透明な液体をあふれさせている。
「恥知らずの息子をよく見てやるから、もっと股を開けろ。」
さっさと、やれ。
「こ、このまま、ですか?」
当たり前だろう。いったい、何のために、おまえ机に腰かけさせたと思ってるんだ。
「……。」
奴は、生つばを飲み込んで、しっかり目をつむったまま、ゆっくりと、股を開いた。おまえが目をつむってたって、見えるものは見えてしまうんだ。興奮に充血した奴の息子の根元から引き締まった尻にかけて、色素が沈着して黒ずんでいるのが妙に卑わいだった。
 俺に何もかも見られているのを意識してなのか、奴の息子は、時々、ピクン、とけいれんして、そのたびにぬるぬるの粘液をあふれさせていた。
「人に見られただけでそんなにぬるぬるになるんだから、よっぽど淫乱なんだな。」
開けた太腿が、少しずつくっついてきてしまうだけの恥じらいが、奴にはまだ残っているらしい。股を閉じたって、腹に向かって勃ち上がった息子は隠せないだろう?
「そんなに見せたけりゃ、もっとよく見えるように両足を開いたまま持ち上げるんだ。」
奴は泣きそうな顔になりながらも、
「手で足首をつかんで持ち上げろ。」
俺の命令に従った。
「もっと股を開け。ケツの穴までよく見えるように、体を後ろへ倒せ。」
机の上にあおむけに倒れた奴の腰に、そこら辺にあったクッションを押し込んだので、奴は、壁とクッションにはさまれて、その恥ずかしい姿勢のまま固定されることになった。
「息子も、ケツの穴も、丸見えだぞ。」
俺がそう冷やかすと、奴は、
「も、もう、勘弁してください。」
口ではそう言って恥ずかしがるくせに、息子のほうはますます堅くいきり勃たせているのだ。
 俺は、机の上のスタンドをつけて、その光がちょうど奴の股間を照らすようにした。
「触って欲しいか?」
奴は、上唇をなめながら、ゆっくりとうなずいた。
「どこに触って欲しい?」
もうそろそろ素直になってもいい頃だ。
「俺の、息子に、触ってください。」
よく言えたぞ。
「淫乱な奴だなあ。息子が勃ってしまうと、そう言って、誰にでも触ってもらおうとするんだろう。」
粘液でぬるぬるになった奴の息子の、裏側のくびれた一番敏感な部分を、俺は、指先でちょっと突っついてやった。
「ああっ……。」
奴の逞しい太腿が、びりびりっ、とけいれんする。
「触ってやったぞ。」
俺の冷たい言い方に、奴は自分の置かれた立場を改めて思い出したらしい。
「そ、それだけですか?」
奴は、改めて、不満そうな表情をした。
 まだまだ、この程度じゃ、おまえの望むとおりにしてやるわけにはいかないな。
「もっと、触って欲しいのか?」
他人の快感に対しては、我ながら嬉しくなるぐらい残酷になれるものだ。
「息子を、握って、しごいてください。お、お願いします。」
真っ赤にいきり勃った奴の息子は、あふれ出した粘液でぬるぬるだから、今、俺がずるずるとしごいてやれば、奴は、すぐいい気持ちになれるだろう。自分から、『しごいてください』と言えたことはほめてやってもいいが、残念ながら、俺は、もうちょっとおまえの体をいたぶって遊びたいんだ。
「よし、これで、どうだ?」
俺は、手を伸ばして、奴の息子の根元あたりを、すっと堅い充血に沿って撫でてやった。
「そ、そんな……。」
奴には、予想外の攻撃だったらいい。
「もっと、上の方を……。」
しごいて欲しい、というわけか。けれども、上の方を、と言われると、下の方をいたぶってみたくなるのが人情というものだからな。
「ここか?」
俺の指が奴のケツの穴に触れたとき、奴は、ケツの穴に、ぎゅっ、と力を入れて顔をしかめた。
「そんなに感じるのか。」
奴は顔をしかめたまま、首を横に振ったが、感じていようといまいと、俺の知ったことじゃない。俺の指に反応したおまえ自身の体が悪いのだ。ケツの穴を触ったときの奴の反応からすると、奴は本当に嫌がっているのではなくて、もっとケツの穴を刺激してやれば、きっと何か面白いことがありそうだ。
 さっそく俺は、スキンクリームのびんを取り出して、指にたっぷりととった。奴は、期待と不安の入り交じった複雑な表情で、俺の動作を見守りながら、それでも、息子だけは堅くしたままだった。
「人差し指だけじゃ、おまえには物足りないかもしれないな。」
スキンクリームがねっとりと塗られた人差し指を奴の目の前に突きつけてやると、
「そ、それを……。」
どうやら、奴は、ことのほかこういう遊びがお気に入りらしい。きっとあいつに仕込まれて、毎晩、自分の部屋でケツの穴をいたずらしているに違いない。
「おまえが、毎晩、自分のケツの穴にやっているように、俺がこの指をおまえのケツの穴の奥まで突っ込んでやるんだ。」
ほら、図星だ。
「俺、そ、そんなこと……。」
ひょっとしたら、指なんかじゃなくて、もっと卑わいな形をしたゴムか何かかもしれないな。
「ケツの穴がひくひくしてるのは、突っ込んでもらいたくて仕方ないせいなんだろう?」
懸命に興奮をこらえようと努力はしているんだろうけれど、奴が毎晩のように自分でケツの穴をいじるときの感覚を思い出すと、つい、ケツの穴に力が入ってしまうんだろう。
 俺がねとねとの指先で、奴のケツの穴をゆっくりと上下にこすると、
「あ……、……ん。」
奴は、首を左右に振って悶え始めた。奴のケツの穴は、スキンクリームのせいか、しっとりと、俺の指先を吸い込むような感じだった。
「ケツの穴をちょっといじられただけで、そんなに悶えるなんて、恥ずかしくないのか。」
奴は、下唇をかんで恥ずかしさに耐えながらも、腰をくねらせて、何とかして俺の指をケツの穴にくわえ込もうとしている。
「あっ……。」
だから、俺がちょっと指先に力を入れると、ずるっ、と第一関節のあたりまで、なんなく奴のケツの穴にのめり込んでしまった。
「もっと、突っ込んで欲しいか?」
奴は、全身を紅潮させて、うっすらと汗をにじませている。
「も、もっと……。」
奴のケツの穴は思いのほか締まりがよくて、奥まで指を突っ込むのにはかなりの抵抗があった。それでも、指をぐりぐりと回転させながら力を入れると、奴のケツの穴も、俺の指を根元まで受け入れた。奴の体の中は、火照っていて熱いぐらいで、俺が指を動かすたびに、奴は体をけいれんさせた。
「指が一本じゃ、おまえのケツの穴は、物足りなさそうだな。」
俺は、奴の体から人差し指をずるずると引き抜き、今度は、中指と人差し指の二本を奴のケツの穴に当てた。
「いくぞ……。」
俺が、ぐっと二本の指に力を込めて奴のケツの穴に押し込むと、奴は、ひくっ、ひくっ、と全身をけいれんさせた。
「あ、ああっ……。」
そして、俺の指を、ぐぐっ、ぐぐっ、と締め付けて、いきなり、いきり勃った息子から、逞しく筋肉の盛り上がった胸の上に青臭いゼリーを大量に発射し始めたのだ。
 俺は、首から胸、そして腹にかけて、自分の精液でべとべとになっている奴を放っておいて、奴の体の温かさの残っている俺の指をティッシュペーパーで拭いた。奴は、荒々しく肩で息をしながら、快感の名残に酔っている。
 俺は、ゆっくりと椅子に腰を降ろして、まだ息子を勃てたまま、時々体をけいれんさせている奴の様子をながめていた。
「あ、あの……。」
やっと、人並みの羞恥心を取り戻した奴の表情が見物だった。
「どうした、もっとやりたいのか?」
さっきまで、大股開きの大胆な格好をしていたくせに、奴は、俺に見つめられていることを意識して、もじもじしている。全然、小さくならない息子を、何とか隠そうとしているのだ。
「ティッシュを……。」
さすがの淫乱坊やも、ベトベトにしたままでは気持ちが悪いらしい。このまま、しばらく放っておくのも楽しいが、奴の腹の上に溜まった精液を机の上にこぼされるのは、あんまりありがたいことではない。
「ほら、こいつで拭け。」
ちょっともったいなかったが、俺は、さっき奴にはかせたサポータを投げてやった。
「よく拭くんだぞ。」
サポータの荒い布では、あまり吸水性がよくないから、拭くというよりは、奴の体の上の精液をすくい取る、という感じだ。
 奴が苦労して腹の上の精液を拭き取ったサポータを、俺は、奴の手から取り上げた。
「こんなにベトベトにして、まったく、仕方のない野郎だ。」
奴の体からは、まだ拭き取れないでいる精液の匂いが、むっ、と立ち上がっている。
「おまえみたいに汚い奴は、風呂の中にでも立ってろ。そのベトベトの体が乾いたら洗ってやる。」
俺は、奴を邪険にバスルームへ追いやりながら、奴の精液でぐちょぐちょになったサポータをビニール袋に放り込んだ。
「そ、それを、どうするんですか……?」
奴は、バスルームの入り口のところで、まだぐずぐずしている。
「おまえの先輩に送ってやるよ。おまえが、自分だけいい気持ちになって、全然俺を満足させられなかった証拠として……。」
奴の困ったような、この表情が、一番かわいい。そんな表情をするから、おまえはいじめられるんだ。
「そ、それは……。」
弁解は、おまえの先輩に直接言うんだな。あいつも、きっと、この精液でベトベトになったサポータをネタにこいつをいたぶることだろう。
 まあ、あいつの贈り物への、俺からの御礼、ってわけだ。こうしてビニール袋に放り込んでおけば、あいつの手元の届いたときも、発射したままの匂いが残っているだろう。もしかしたら、あいつは、このベトベトのサポータを奴の顔にかぶせるかもしれないし、いたぶるのが好きなあいつのことだから、ひょっとしたら、奴にサポータを丁寧に舐めさせるなんてこともやりかねないな。とにかく、俺の贈り物も、あいつに楽しんでもらえることは間違いないな。そのうち、あいつと俺の間で、たった今もバスルームでたぶんケツの穴を弄っているあのスケベ野郎の往復書簡、いや往復小包なんてのも楽しそうじゃないか!
 俺は、封筒にあいつの宛名を書き終えて、バスルームに押し込んだ奴へのお仕置きに胸をわくわくさせながら服を脱いだ。さっきから堅くなっている俺の息子は、奴の体を欲しがって、ヒクヒク脈打っている。自分の尻の穴をいたずらしている奴の口に、この息子を押し込んでやるのもいいし、俺の息子で奴の尻の穴をいたぶってやるのも面白いだろう。とりあえず、奴の息子をシャワーで洗ってやることにしよう。俺は、久しぶりに楽しめそうな予感を抱きながら、バスルームのドアを開けた。