次の日、俺は、自分の痴態が映っているであろうテープを、他に提出する資料の封筒に入れて、会社で課長に手渡した。
「ああ、これか……。」
そう言いながら、課長はまっさきにテープの存在を確かめて、ちょっと声をひそめると、
「どのくらい反省できているか楽しみだな。」
とにらむような目つきで俺を見た。でも、その瞳は、きらきらと好色な輝きに満ちていて、俺は、課長のその目を見るだけで勃ってしまいそうになったけど、それに気づいたのはきっと、俺だけだったに違いない。だから、席に戻っても、同僚が、
「どうしたんだ?きびしい顔だったじゃないか、課長。」
そう言って、俺に同情してくれたんだろう。俺は、恥ずかしい状態になりつつある下腹部をかばいながら、
「昨日の資料を手直しして渡したんだけど、虫の居所が悪かったのかな。」
口ではそう言って誤魔化しておいた。そして、
「さ、仕事しなくちゃ。これ以上課長ににらまれたらやってられないからな。」
気にしないふうを装って、俺は、椅子に腰を下ろし、仕事をするふりをした。けれども、机に隠れた俺の下腹部は、すっかり元気になっていて、その盛り上がりは我ながら恥ずかしいくらいだった。
「結構良くやってるのに、課長はおまえにはきびしいよな。」
同僚の言葉に苦笑しながら、俺は、机の下で、びんびんになってしまったものの方向を修正していた。横目で、ちら、と課長のほうを見ると、どうやら課長には俺のやっていることがわかったらしく、俺の恥ずかしい反省の姿が映ったテープの入っている封筒を持ち上げながら、口元を卑わいに歪めてみせた。
『きっと、こうやって、位置を直したりしたのも、今夜のネタにされてしまうんだろうな。』
位置を直すためにいじったりしたためか、それとも、今夜の課長の叱責を想像したためか、斜め上に向かって伸び上がっているものの先端から、じわっ、と透明な粘液があふれ出して、下着のボクサーの布地を濡らすのを、俺は感じていた。その日は、なんだかんだと本当にどうでもいいようなことを言うために、課長が俺の席までしょっちゅう出向いてきた。もちろん、本当の狙いは、俺のズボンの中身の緊張を常に高めておくためで、課長は、俺の肩や背中をさりげなく撫でるようにしながら話したり、机の下で足を俺のひざに押しつけたりすることで、他のやつにはわからないように目的を達していた。
そして、その夜、俺は、課長の部屋で、自分の痴態を克明に記録しているテープを見ていた。もちろん、俺は、そのテープの中の自分と同じようなM字開脚状態で、しかも、背中から課長に抱きかかえられている状態だった。
「やればできるじゃないか、君も。」
テープの中の俺は、自分の手のひらで自分の亀頭を責めていたけれども、それを見ている今の俺は、課長の手のひらで、ぐりぐりと亀頭を責め立てられている。
「ううっ、……勘弁してください。」
課長の手のひらで責められている俺の亀頭からは、じんじんとした感覚が広がっている。
「最初の頃は、俺がこうやっただけでギブアップしてたのに、今は、自分で腰を振りながら亀頭責めをしてみせるんだもんな。たいしたもんだよ。」
そう言いながら、課長は、俺の亀頭全体を手のひらで包み込むと、絞り上げるように、ぐちゅぐちゅ、とこね回した。
「う、ううっ、きつい……。」
確かに、最初に比べれば、俺の亀頭もピンクから熟れたすももののような色に変わってきたし、口では泣き言を言いながらも、亀頭から広がるじんじんとした感覚を楽しんでいるかもしれない。それに、俺の鳴き声に、ひくん、と反応するびんびんになった課長のものを、後ろ手に握る余裕も……。
「この反省会の様子も、ちゃんと撮ってあるから、後で、その様子を検討することもできるぞ。」
課長に背後から亀頭を責められている俺の痴態を、テレビの横に置いたビデオカメラが冷たいレンズで見つめていることは知っていたけど、改めて課長にそう言われると、俺は、じわっ、と透明な粘液が亀頭の先端の割れ目からわき出すのを感じていた。
「今日は、いつになく反省できてるな。また濡れてきたじゃないか。」
俺が濡れてきたので、少し粘っていたローションの滑りが良くなったことを示すかのように、課長の手は、一層ぐりぐりと俺の亀頭を責め立てた。
「あ、あっ、だ、駄目です、課長。」
俺のものが、びくびくとけいれんしそうになったのを感じて、課長は、
「おっと、君にはもっと反省させないとな。口のきき方もまだまだだし。」
俺の亀頭を責めていた手を離して、右手の指を、ゆっくりと下の方の口へ移動して、左手で、俺の大きな弱点の乳首をくりくりとつまみ始めた。
「うっ……。」
ぬるぬるの課長の指は、難なく俺の身体の中に侵入してくる。
「ほら、黙ってちゃ駄目だろ。」
そして、課長の指は、俺が声を出さずにはいられなくなるように俺の身体の中をかき回し始めるのだ。
「ああっ……。」
乳首からの刺激と相まって、俺は快感のうねりの中に巻き込まれていった。
「ちゃんと言葉で報告しないと駄目だろ?」
快感で羞恥心のゆるんでしまった俺に、課長は卑わいな言葉を強制する。
「そ、そこをそんなふうにされると、俺……。」
課長は、俺の乳首をもてあそんでいた手で、俺の首をねじ曲げるようにして振り向かせると、
「そこ、じゃわからないだろ?」
俺にねっとりとkissをした。
「う、うう……。」
課長の舌は、俺の唇を無理矢理に割ると、俺の口の中深くまで侵入して、俺の快感を探り回った。その間に、俺のもう一方の口に侵入している課長の指は、いつの間にやら二本 になっていた。
「ほら、もう一度、ちゃんと言ってみな。」
課長は、二本の指で俺の身体の中をぐにゅぐにゅと探りながら、俺を促した。
「あ、課長の指で、ケツの穴を探られると、もう、我慢できなくなってしまいます……。」
後で反省会のビデオを検討をするときに、これがまた責める材料にされてしまうことを知りながら、俺は、つい、そんな卑わいな言葉を口にしてしまう。
「だから?」
それなのに、それだけでは課長は許してくれない。
「え……と。」
俺が、とまどっていると、課長は、さっきから俺が握り締めているものに、ひくん、と力を入れてみせながら、
「これが欲しいんだろ?」
そう言った。俺は、もう、課長に促されるがまま、
「そうです、課長のこれを俺に入れてください。」
もっと卑わいな言葉を口にしてしまう。
「どっちの口に入れて欲しいんだ?」
どうせ言わされるのはわかっているので、俺は、
「俺の口は、上も下も淫乱だから、両方を課長のもので鍛え直してください。」
そう言ってから、四つんばいになって、びんびんに反り返った課長のものをくわえ込んだ。きっと、カメラには、尻を高く上げて課長の股間に顔を寄せている恥ずかしい俺の格好が、ばっちり映っているんだろう。
「よし、いいぞ、うまいじゃないか……。」
課長のものにのどを突かれて、俺は、苦しさの中に何とも言えない快感を感じている。ぐちゅぐちゅ、と課長のものをくわえて首を振りながら、そのうちに、俺は、反省会が週に一回じゃ物足りなくなるんだろうな、と感じていた。