快人69面相 4

火曜日, 8月 31, 1982

 その夜、小林君は、ベッドの中で毛布にくるまりながら、一人で赤面していました。
「あー、本当に恥ずかしかった。」
昼間のことを思い出すと、それだけで体中がほてってしまうのです。
「あの人は、絶対69面相だと思ったんだけどなあ。」
小林君が勇んで向かいのマンションに駆け込んでみると、幸いその部屋は鍵がかかっていなくて、小林君は、前後を考えずにその部屋に飛び込んでいきました。部屋の中には、ブリーフの男の人が、両手両足を大の字にロープで固定されていました。
「快人69面相!……はあ、はあ。」
大急ぎで走ってきたので、小林君は息が切れて次の言葉が言えません。
「何か用かい?今、ちょっと取り込んでいるんだけど……。」
覆面の男は、飛び込んできた小林君をおもしろがっているようでした。
「おまえは、快人69面相だろう!」
やっとしゃべれるようになった小林君は、勇気をふるってそう言ったのです。
「69面相?」
けれども、覆面の男の人はきょとんとしています。
 その様子に、小林君はちょっと不安を感じたのですが、ここで弱気になってはいけないと思って、
「誤魔化したって駄目だぞ。」
と大声で叫んだのです。
「残念ながら、俺は君の探してる人じゃないみたいだぜ。俺は、君とは初対面だよ。」
そう言いながら、その人は覆面を外しました。
「俺は、69面相なんかじゃなくて、田中っていう名前なんだけどな。」
小林君は、すっかり焦ってしまいました。
「で、でも、この人を縛って……。」
小林君がそう言いかけると、
「こいつは、俺の弟だよ。こいつ、変態だから、こんなふうにされたくて、いつも俺にせがむんだ。」
田中さんはおかしそうに言いました。
「……と、いうことは。」
小林君は、頭が混乱してしまって、何がなんだかわかりません。
「こういうことさ。」
田中さんは、手にしたナイフで、大の字に固定されている人のブリーフを切り裂き始めたのです。
 その人は、何とかしてそのナイフから逃れようと抵抗しているようでしたが、どうもその抵抗も見せかけだけのようでした。
「あっ……。」
すぐにブリーフはぼろ切れになってしまい、そこには、隆々と反り返ったものがむき出しになりました。
「こいつ、生意気にでっかいだろ?」
小林君にそう言いながら、田中さんは、弟の下腹部をぐりぐりと踏みつけています。
「え、ええ……。」
小林君は、思いもかけなかった事態に、すっかりあがってしまって、のどがカラカラになってしまいました。
「ほら、こんなかわいい坊やが、おまえの恥ずかしいところをばっちり見ててくれるぜ。どうだ、うれしいだろう。」
田中さんは、弟のあごを足の先でしゃくるようにしました。
「……。」
小林君には、その人が嫌がっているように見えましたが、ヒクンヒクンと脈打ちながら反り返っている下半身の太い棒からは、じわっと透明な粘液がにじんでいるようです。
「もっと恥ずかしくしてやるぜ。」
田中さんはそう言うと、なにやらいやらしい形をしたものを持ち出してきました。
 こんなわいせつなものを、いったいどうするのでしょう。
「そ、それは……?」
小林君がかすれた声で尋ねると、田中さんはニヤッとしました。
「こいつの尻の穴にねじ込んでやるのさ。」
そして、わざわざそのピンク色の猛々しい形のものを見せつけているのです。
「ちょっと大きすぎるんじゃ……。」
本当にこんなものがお尻の穴に入るのか、小林君はちょっと心配でした。
「だいじょうぶさ。……おまえだって、こいつをケツの穴に入れて欲しいだろ?」
その人はそう言われて、ちょっと首を横に振りかけましたが、
「どうなんだ。」
と、田中さんにすっかりぬるぬるになってしまった下半身の太い棒を踏みにじられて、仕方なくうなずきました。
「この坊やがおまえのケツに突っ込んでくれるんだってさ。うれしいだろう。」
田中さんは、勝手なことを言っています。そう聞いて、田中さんの弟は、恥ずかしそうに体をよじりました。けれども、ロープに引っぱられて十分に動けません。そのかわりに、ビンビンのものの先端から、つつっ、と粘液があふれ出て糸を引きました。それを見て、田中さんは、
「体のほうは、早くやってくれって催促してるぜ。」
と、弟を冷やかしています。
「じゃあ、望みどおりに、この坊やにケツをいじめてもらいな。」
小林君は、嫌がるふりをしながらも、69面相にやられたことを他人にやってみたくて、その大きくえらを張ったグロテスクなくらい太いものを受け取りました。
「もうゼリーを塗ってあるから、遠慮しないで、ぐっと突っ込んでやれ。」
遠慮せずに、と言われても、初めての経験ですから、小林君は、おそるおそるそれを尻の穴に近づけていきました。
 そこまで思い出して、小林君は、もうたまらなくなって、ブリーフのゴムを押し上げてビンビンに堅くなってしまったものを取り出して、自分でしごき始めたのです。
「あれがお尻の穴に触ったときのあの人の顔、あれだけで感じていたのかなあ……。」
ついつい小林君は、指をお尻の穴に当ててしまいます。
「あっ……。自分の指で、これだけ感じるんだから、もし、あんなものを突きつけられたら……。」
想像しただけで、小林君の下腹部には、ズキンと快感が走りました。
「ずるずるっ、と体の中に押し込んだとき、あの人は、何もしていないのに、お腹の上に、ピッピッ、て白いゼリーを……。」
小林君の手の動きは、ますます激しくなっていきます。そして、わいせつな動きを繰り返している小林君のお尻の穴には、自分の指がしっかりと突っ込まれていました。
 すると、その時、
「やあ、お楽しみの様子だね。」
またしても、小林君は、聞き覚えのあるバリトンの声に快感を中断されてしまったのです。
「快人69面相!!」
69面相は低い声で笑って、
「名前を憶えていてくれたとは、なかなか光栄だな。」
と、小林君の下腹部でヒクヒクと脈打っている少年自身に口づけをしました。
「あっ……。」
舌でチロッとなめられて、小林君は声をあげてしまいます。
「こういうところも、なかなか楽しいものなんだが……。」
今度は、乳首を吸われると、もう、小林君は快感で泣き出してしまいそうです。
「や、やめて……。」
初心な小林君には刺激が強すぎるようです。
「今さら何を言うんだい。真っ昼間からお尻の穴にビンを突っ込んで遊んでいたくせに。」
そう言われると、返す言葉がありません。
「さあ、もうすぐだろ?思いっきり飛ばしてごらん。」
69面相の巧みな指さばきに、小林君は、とうとう我慢できなくなって、ビュッビュッと噴き上げてしまったのです。