通勤電車 金曜日の深夜

金曜日, 5月 30, 2003

俺は、まだ、下半身に残っている快感をこらえながら、やっとの思いで電車を降りた。俺のケツの中では、相変わらずロータが暴れ回って、俺の下腹部を内側から責め立てている。スーツのズボンに手を突っ込んで何とかそのスイッチを止めると、快感にかすんでいた俺の意識が少しまともになってくるような感じがした。俺は、樹液を受け止めて重くなっているゴムが外れてしまわないように、ポケットの例の穴から手を突っ込んで支えながら部屋への道をたどっていった。
「ふう……。」
きっと、知らない人が見れば、俺は、ちょっとふらつきながら歩いていて、酔っぱらっているように見えたに違いない。確かに、こんな快感は初めてだった。
『電車の中でこんなすごいことをやっちゃうなんて……。』
ちょっと複雑な気持ちだったが、それよりも早く部屋に帰って、ケツにくわえ込んだままのロータを引き抜いて、やっとおさまりつつあるものからゴムを外したかった。
「あれ?」
意識がはっきりしてくると、俺は、自分の足音に重なるように、もう一つの足音が響いていることに気がついた。
『ん?』
試しに俺が、ちょっと足を速めてみると、もう一つの足音も、俺の足音に同期を取るように夜道に響く。
『誰だろう……。』
俺の頭に真っ先に浮かんだのは、電車の中で俺を嬲りものにしたあの人の、俺の首筋に当たる荒い息づかいだった。
『まさか。』
俺は、そっと後ろを振り返ってみたが、ちょうど街灯の影になって、スーツ姿らしい男の顔はわからなかった。俺は、後ろに響く足音を意識してドキドキしながら歩いたが、そんな俺に気づいたのか、少しずつ男の足音は、俺に迫ってくるようだった。
『どうすればいいんだろう。』
走り出すのも滑稽な気がして、俺は、相変わらず樹液を受け止めたゴムが外れてしまわないようにスーツのズボンのポケットに手を突っ込んだまま、けれども、全身の神経を自分の後ろから響いてくる足音に集中しながら歩いていた。俺がアパートの階段を上がり始めると、その足音も階段を上がってくる。俺は、急いで自分の部屋の鍵を開けようとしたが、右手でゴムを押さえながら、慣れない左手で鍵を開けようとしたので、思ったより時間がかかってしまった。そのせいで、俺がドアを開けて身体をもぐり込ませるようにしながら部屋のドアを閉めようとした時には、しっかりとその男の足が、ドアのすきまに挟み込まれていた。
「な、何を……。」
あっけにとられている俺が、一瞬ひるんだすきに、その男は、ぐい、とすごい力でドアをこじ開けると、俺を押し込むようにして部屋に入ってきて、後ろ手にドアの鍵を、カチャ、と閉めた。
「ふっふっふ、あんなロータだけじゃ淫乱なおまえは物足りないだろ?」
やっぱりあの人だったんだ、と思うと、少しはほっとしたが、そう思うことで、俺は、抵抗ができなくなっていた。それをいいことにその人は、俺を押し倒すようにすると、玄関で俺のスーツのズボンと靴を一緒に脱がせてしまった。俺が呆然と、そのままになっていると、その人は余裕たっぷりに靴を脱いで、自分のスーツを脱ぎ、ネクタイを外してから、俺を抱き起こして俺のスーツの上着を脱がせた。そして、そのまま俺の両肩を押すようにして俺の身体をベッドに押し込んだ。
「まだ、こんなものをつけたままだったのか?」
スーツのズボンを脱がされただけで、俺の下半身はむき出しになっていた。そして、むき出しの下半身には樹液をたっぷりと蓄えたままのゴムがまだ外れずに残っている。しかも、もっと恥ずかしいのは、ゴムがついたままのそれが急速に力を回復しつつあるのだ。ついさっき、気が遠くなってしまいそうな快感を味わいながら樹液を噴き上げたばっかりだというのに。
「それに、こんなものをケツにくわえ込んだままで歩いてたのか?」
そして、俺のケツからは、ロータのスイッチにつながる紐が垂れたままだった。
「どうやら、淫乱なのは、こいつだけじゃなさそうだな。」
そう言いながら、その人は、すでにすっかり元気になってしまった俺のものから、ぱちん、とゴムを外した。
「ぬるぬるじゃないか。」
そして、もちろん噴き上げた樹液でぬるぬるのままの敏感な部分を、ずりずりと手のひらで撫で回したので、その刺激に、俺は、
「あうっ……。」
思わずのけぞって声を上げてしまったのだ。
「こっちのほうも同じくらい淫乱だろ?」
その人は、そんな俺に追い打ちをかけるように、俺のケツの穴からつながるロータのスイッチをいきなり最強にした。
「ううっ……。」
まだ、さっきの最終電車の中での興奮が、くすぶっていた俺の身体は、その激しい刺激で、一気にまた燃え上がろうとしていた。
「どうだ、こんなふうにされたかったんだろ?」
俺は、とても返事をするような状態ではなく、身体の前後から押し寄せる強烈な刺激に耐えるので精一杯だった。
「こんなものにいたぶられて気持ちいいなんて、恥ずかしくないのか?」
それなのに、その人は、俺がケツにくわえ込んでいるロータの紐を引っ張って、俺のケツから引きずり出そうとするのだ。
「あ、ああっ……。」
自分のケツから振動しているロータが引きずり出されるところを見られるのはあまりに恥ずかしいので、俺は、何とかしてロータを引きずり出されないようにケツに力を入れていたが、そうすると、かえってロータの振動は俺の身体に激しい刺激となって襲いかかってくる。
「だ、駄目だっ……。」
そして、ついに、俺のケツからはロータが引きずり出されてしまったのだ。
「こんなもので、そんなによがるなんて。」
俺のケツから飛び出してきたロータをその人は、俺の目の前にかざすようにして俺に見せつける。どうしようもなく恥ずかしいはずなのに、俺は、自分の下腹部で勃ち上がったものから、さらに透明な粘液があふれ出すのを感じていた。
「本当に欲しいのは、こいつだろ?」
そして、その人は、自分の下腹部で反り返るようにして猛り狂っているものを無理矢理俺の手に握らせると、ゴムの中にたっぷりと残っている俺の樹液をそれになすりつけて、俺の両脚を持ち上げるようにしながら、さっきまでロータに蹂躙されていた俺のケツの穴に近づけていった。そしてそのまま、俺のケツは、その人のびんびんのものにゆっくりと犯されていく。
「ああっ……。」
俺の感じるその充実感は、その人の言ったことが正しいことを証明していた。
「も、もっと……。」
だから、俺は、自分がそんな卑わいなことを口走ってしまうのをどうしようもなかった。ぐちゅぐちゅ、というわいせつな音を立てて自分の身体の前後をもてあそばれながら、俺は快感の頂上に追い上げられようとしていた。