高橋先輩のこと 4

木曜日, 1月 31, 2002

そんなふうにさんざん嬲られて、僕は、どうしようもなく高橋先輩の逞しい体を、自分の肌で感じたくなっていった。こういうところ、やっぱり僕は淫乱なのかなあ、と思うけど、プールの更衣室で後ろから抱かれた時の先輩の逞しい体の感触が、僕の体をよけいにほてらせているようだった。
「せ、先輩も、脱いでください。」
だから、僕は、思い切って、そう先輩に言ってみた。
「うん?俺の裸を見たいのか?」
先輩は、にや、っと笑って僕の目を見たけど、僕は首を横に振って、
「いえ、そうじゃなくて、僕、さっき先輩に後ろから抱かれた感触が……。」
我ながらなびっくりするくらい大胆なことを言ってしまった。すると、先輩は、ちょっとマジな表情になって僕に近づいてくると、
「俺のことを、好きだ、と言ったら脱いでやるよ。」
僕のあごに指をかけながらそんなふうに言ったのだ。僕は、てっきり、先輩が僕のことをおもちゃにしてるだけだと思ってたので、
「せ、先輩、僕のこと……?」
わざわざ聞き返してしまった。
「……。」
そうしたら、高橋先輩は、ゆっくりと顔を近づけてきて、僕のファーストキスをねっとりと奪っていった。
「……。」
先輩の唇が離れていっても、僕は何にも言えなくて、じっと先輩の目を見ていた。
「いつも、栗坂のことを見てたんだぞ。」
そんな僕に、高橋先輩はすごく優しい声でささやいてくれた。確かに、そう言われれば、着替えてる時なんかに高橋先輩の方を見ると、たいてい視線が合ったような気がする。
先輩は、そのまま、僕をベッドの上まで連れて行ってくれた。そして、腕枕の中に僕を抱きかかえてくれながら、
「しかし、昨日は本当にびっくりしたなあ。栗坂が西岡と……。」
そう言った。
「ずっと見てたんですか?」
先輩に見られていたと思うだけで、僕は、耳たぶが熱くなってしまった。
「見てられるわけないだろ。すぐ引き返したけど後で悔しかったなあ。」
高橋先輩は熱くなった僕の耳たぶをかじりながら、
「西岡のこと好きなのか?」
と言ったのだ。
僕は困ってしまった。西岡のことだって、好きなことは好きだけれども、きっと先輩の言ってるような意味で好きなわけではなかったのだ。
「一応、好きですけど……。」
僕はしどろもどろだった。
「俺とどっちが好きだ?」
こんなふうに抱きかかえられてしまったら、それだけでもう、僕は高橋先輩のことを好きにならずにはいられなかったけれども、でも、西岡と高橋先輩なんか、そもそも比べようがない。
「先輩のことも好きですけど、西岡は嫌いにならなきゃいけませんか?」
だから、ずるい僕はそんなことを言う。
「俺のほうが嫌いなのか?」
どう言ったらいいのかわからなかったので、そのかわりに僕は、高橋先輩の胸に、自分の顔を埋めてしまって、ついでに、先輩の乳首を、ちろ、となめていたりした。
「ごまかすのがうまいなあ……。」
先輩は苦笑ながら、僕の顔を両手で持ち上げて、ゆっくりとキスをしてくれた。
高橋先輩の体は、 僕よりも一回り大きくてついでに逞しかった。じっとりと汗ばんだ先輩の首筋は、舌でちょっとなめてみると塩辛い汗の味がした。
「何やってるんだ……。」
高橋先輩はまだブリーフをはいたままだったけれど、それは後のお楽しみ、ということにしておいて、次に僕は先輩の乳首を口に含んだ。
「くすぐったい。やめろよ。」
そんなふうに言いながらも、先輩も結構うれしがってるみたいだった。僕は体ごとどんどん下の方に降りていって、ついに大きく盛り上がったブリーフに到着した。
「……。」
両手で先輩のブリーフを下げると、先輩がブリーフを脱がせやすいように腰を上げて協力してくれた。ブリーフの中からはふてぶてしいくらいに勃起したものが、びょん、と跳ねて顔を出した。
「へえ……。」
赤く充血してつやつやした先端を口に含むと、やっぱりここも汗の味がした。夢中でそこをなめながら、僕は高橋先輩のかすかなうめき声と、窓の外から聞こえてくる車の音なんかをかすかに聞きながら、不思議とうれしかった。高橋先輩に気持ちよくなって欲しくて、僕は、舌でなめながら、頭も上下に動かして、ぎんぎんに堅くなってしまったそれを刺激した。やがて、高橋先輩は、僕の頭を押さえ込むようにして、自分で腰を持ち上げると、僕ののどの奥までそれを押し込んできた。
「う、ううっ……。」
そして、本当にのどが詰まりそうなくらいたくさんの樹液を僕ののどの奥に、びゅっびゅっ、と噴き上げたのだ。
僕はもっとくわえていたかったんだけれども、まだ時々けいれんしているものを僕の口から無理に抜くと、高橋先輩は僕を抱いていくれた。
「本当に好きなんだ、栗坂……。」
うれしかったけれど、高橋先輩のことを好きだ、とは何となく言えなかった。
「西岡とだって、友達以上のものじゃないんです。」
黙っているのは悪い気がして僕はそう弁解したのだけれど、高橋先輩は、
「うん。」
と、納得したのかどうか、あいまいにうなずいただけだった。