奴は、そのまま素直にホテルの俺の部屋まで着いてきて、肩にかけていた大きなカバンを床に放り出すと、その中から汚れたつなぎの作業服を取り出した。
「着替えていいっすか?」
奴は、ちょっとはにかむようにそう言うと、俺の答えを待たずに、着ている服を脱ぎ始めた。その様子を俺が見つめていることを十分意識しながら、奴は、俺に背を向けたまま、ケツ割れだけの裸になった。むっちりした奴の尻は俺を誘惑するかのように、奴の身体の動きに連れて卑わいに筋肉の動きを見せていた。そのまま押し倒したくなるのを俺はかろうじてこらえると、
「そのままこっちを向いてみろ。」
奴に声をかけた。奴は、首だけをひねって俺を振り返ると、
「それは、まずいっすよ。」
すでに欲情にうるんだ目つきでそう言った。
「何がまずいんだよ。」
だいたいの想像はついていたが、恥ずかしがる奴の表情は、俺を職場のセクハラ上司に仕立て上げるには十分だった。
「先輩の言うことが聞けないのか?」
俺がそう言い放つと、奴は、
「申し訳ないっす、俺は先輩に逆らえるような身分じゃないっす。」
それでもちょっとうつむき加減で、自分の股間を両手で押さえたまま俺の方に振り向いた。
「両手は頭の上だ。」
奴は、本当に恥ずかしいのか、ケツ割れの股間を押さえていた両手を離すと、自分の頭の上に乗せた。
「もうそんなに突っ張らせてるのか?」
もちろん、奴のケツ割れは、強く押さえ込まれているにもかかわらず、大きく突き上げるように盛り上がっていた。
「うっす。」
奴の顔が上気しているのは、羞恥心のせいだろうか、それとも、興奮のせいなんだろうか。
「スケベだな、おまえは。」
俺にそう言われて、奴は、ちょっと顔をしかめるようにした。
「なんだ、恥ずかしいのか、今さら。」
ビデオチャットで何度も生身をさらしているくせに、と思ったが、
「恥ずかしいっすよ、こんなにケツ割れもっこりさせてるなんて。」
奴は、本当に恥ずかしいらしい。
「着替えるだけでびんびんになるなんて、おまえは、ほんと、どうしようもないスケベだな。仕事そっちのけでスケベなことばっかり考えてるんだろう。そんな奴は、業後にお仕置きだな。」
俺がそう言うと、
「う、うっす。先輩のお仕置きをお願いするっす。」
奴のケツ割れの突っ張りが、ひくん、とけいれんした。
 せっかくだから、俺は、つなぎ姿の奴を見ることにして、
「さっさと着替えないと仕事にならないだろ。」
汚れたつなぎを床から取り上げて、奴に投げてやった。
「う、うっす。」
つなぎだから、たっぷりと奴の身体をおおっているはずなのに、それを着た奴の姿は、さっきのケツ割れだけの裸と同じくらい卑わいだった。肩のライン、肩から腰にかけてのライン、そして、ケツから太腿にかけてのラインが、その下にある奴のごつい身体を連想させて、こんなのが職場にいたら、誰でもセクハラしてみたくなるよな、と俺は勝手な納得をしていた。
「つなぎの股間が汚れてるじゃないか、ひまさえあれば、いじってるんじゃないのか?」
もちろん、そんなに目立つような汚れがあったわけじゃないけど、俺はそう言って奴をいじめてみた。
「そ、そんなことないっす。職場では、真面目にやってるっすから。」
それなのに、奴は、大あわてで俺の言うことを否定する。けれども、
「どうせ、ちょっといけてる野郎を見つけては、ケツ割れの中身をさっきみたいに突っ張らせてるんだろ?」
俺のその言葉に、奴は言葉に詰まってしまった。
「そ、それは……。」
本当にスケベな奴だ。
「で、でも、仕事中は、ケツ割れの中で位置が悪くても我慢して、真面目に仕事してるっす。」
そして、マジで弁解する奴の態度が、俺のセクハラ心をくすぐる。
「ふうん、じゃ、どのくらい仕事ができるのか、俺が確かめてやる。」
俺の、にや、と歪んだ顔に、奴の眼が、先走りに濡れたようにねっとりと輝くのがわかった。
「お、お願いします、先輩。」
かすれた声でそう言うと奴は、ソファに腰を下ろした俺の前に立った。
「途中で泣き言を言うんじゃないぞ。」
俺がそう言うと、奴は、
「はい。」
神妙にうなずいた。
「まずは、作業の準備がどのくらいできてるかのチェックだな。」
俺の言葉に、奴が、ごくり、と生つばを飲み込むのがわかった。
「『会ったその場で押し倒したくなるかもしれないな』と俺がメールに書いたのを覚えてるか?」
俺の質問に、奴は、完全に発情した目つきで、
「もちろんっすよ、それを読んで、勃ってしまったっすよ、俺。」
そう言った。
「じゃあ、ちゃんと準備はしてきたんだな?」
奴は、黙ったままうなずくと、
「仕事上がりに風呂に入って、その後ちゃんと準備したっす。俺の身体をチェックしてください。」
股間のつなぎのファスナーを引き上げた。俺は、無理矢理手をそこに突っ込むと、ケツ割れを激しく突き上げているものではなく、奴の股の間に手をもぐり込ませた。そして、ゆっくりと人差し指でケツ割れの奥を探ると、奴の熱い尻の穴が指先に触った。
「ふふふ、ちゃんと準備できてるじゃないか。」
そして、そこには、すでに、ぬるぬると潤滑剤が塗り込められていて、俺の人差し指をすんなりと受け入れたのだ。
「あっ……。」
奴は、俺の指先を尻の穴に感じて、下唇をかむようにしてうつむいた。
「どうした、こんなので、もう感じてるのか?」
俺が冷やかすと、奴は、
「こ、こんなふうにされるなんて、俺、すげぇ恥ずかしいっす。」
うつむいたままそう言った。けれども、俺の腕に感じる奴のケツ割れの中身は、さっきよりもがちがちに突っ張っている。
「恥ずかしいけど、感じるんだろ?」
奴は、うなずきながら、
「俺、先輩にどんなふうにおもちゃにされるか、いろいろ想像して楽しみにしてたっすけど、いきなりこんな強烈なことをされるなんて思わなかったっす……。」
あえぐような声で言った。
「ケツ割れの中身もちゃんと準備できてるか確かめてやる。」
俺は、ファスナーをもっと引き上げると、つなぎの中で、乱暴に奴のケツ割れをずり下げて、奴のものをむき出しにした。
「ああっ……。」
奴は、自分のものがケツ割れのこすれる刺激だけで、卑わいな声を上げて腰を引いてしまった。もちろん、つなぎの開いた部分から飛び出した奴のものは、赤黒い頭を先走りでてらてら光らせながら、ひくんひくんと、斜め上に伸び上がっていた。