その日から、太郎は、夜、布団にはいるのが待ち遠しい毎日を送りました。もちろん、太郎が眠るのは天狗にもらった布団の上で、その布団を広げるときには「布団よ、夜伽の支度。」と唱えるのを忘れませんでした。そして、その布団に横たわって太郎の夜伽をつとめるのは、例の天狗のたくましさの面影を宿した男だったのです。
「ああっ、それで貫いて欲しい……。」
そして、太郎自ら、仰向けに寝て大股開きになり、物欲しげにひくひくしている尻の穴を男に見せて、男の怒張をねだるのでした。そうでなければ、うつぶせの状態で尻を突き出すようにし、尻たぶを両手で広げながら、
「早く、その逞しいものを打ち込んで欲しい……。」
男の下腹部の怒張を振り返るのでした。
「お任せください、ご主人様。」
そう言いながら男は、自分の怒張を片手で握りしめて太郎に見せびらかすようにして、ゆっくりと太郎の体におおいかぶさっていきます。
「ああっ……。」
そして、その熱く堅く張り切ったものを、淫乱に口を開けている太郎の尻の穴に埋め込んでいきます。
「ご主人様の尻の穴も、すっかり練り込まれた感触で、私のものを握り締めてきます。」
男に自分の尻の穴をそのように言われて、太郎は恥ずかしさで全身が熱くなるようでしたが、ゆっくりと男の怒張に尻の穴をえぐられるだけでお、自分の怒張が透明な蜜をあふれさせるのをどうしようもありませんでした。
「もう、全部入りました、ご主人様。」
太郎は、自分の体の中に奥深く男のくさびが打ち込まれているのを感じていました。
「ああ、こんなに奥まで……。」
男は、前から、そして、後ろから、太郎の両足を大きく広げたり、片足を持ち上げたり、はたまた太郎の腰を引き寄せるようにしながら、太郎の身体を自在にもてあそび、そのたびに太郎の身体に例えようのない快感を刻み込みました。
「も、もう、駄目だ……。」
そして、何度も太郎をめくるめくような感覚の頂に噴き上げ、とろけるような感覚の淵に引きずり込んだのです。
 夜伽のために現れる男は、太郎が眠っている間にいつもいなくなってしまうのでしたが、ある日の朝、太郎は、まだその男の腕枕の中で眠っていることに気がつきました。
「あ、あれ?」
太郎が目覚めたのに気づくと、男はにっこりと微笑んで、
「ご主人様、今日は、是非、山へお出かけください。」
と言いました。訳のわからない太郎がきょとんとしていると、男は、
「私を天狗からもらった屋敷へお出かけください。」
と付け足して言いました。
『そう言えば、天狗にこの布団をもらってから、ずいぶんになるなあ。』
起き抜けでぼんやりしている太郎に、男は、
「ご主人様のために、新しい褌を用意いたしました。」
と、真っ白の褌を取り出しました。そして、太郎を促すように、その褌をきつく太郎の股間と尻に食い込ませたのです。褌を締め込むと、その刺激で太郎の前褌の中身がさっそく窮屈になってきて、太郎は、むらむらした気持ちがこみ上げてくるのをどうしようもありません。ところが、発情し始めている太郎を見捨てるように、男は、
「では、お気をつけてお出かけください。私はこれにて……。」
と言うと、ふっ、と姿が見えなくなってしまいました。そして、太郎の掌には、小さくたたまれた薄汚れた布団だけが残されていたのです。仕方なく太郎は、着物を着ると、その布団を懐に突っ込んで、男に言われたとおりに例の屋敷に出かけていくことにしました。そして、この前と同じようにその屋敷はあって、この前と同じ年寄りが相好を崩して太郎を出迎えたのでした。
「やはり来てくれたか、きっと来てくれると思っていた。」
年寄りは、太郎の手を引っ張って、この前と同じ宴席の設けられている部屋に連れて行きました。
 そこには、すでに、天狗達が揃い、酒を酌み交わしています。
「待たせたな、皆の衆。儂の客人が訪ねてくれた。」
年寄りのその言葉に、ざわめいていた天狗達は静まりかえり、品定めをするような鋭い視線を太郎に浴びせました。とりわけ、一番の上座に座っている天狗は、太郎の全身をなめ回すようにじろじろ見ています。その視線に、太郎は、天狗からもらった布団の上で夜伽の男に毎夜のように貫かれていたことを見透かされたような気がして、恥ずかしくてたまらないはずなのに、どうしたことか、褌の中身が窮屈になってしまいました。
『ああ、この前くわえた天狗の怒張を、もう一度くわえたい。』
そう思うだけで、太郎の口の中はつばでいっぱいになり、
『尻の穴を貫かれたら、どんな感じなんだろう。』
ひくん、とけいれんさせた尻に食い込んでいる褌の感触が、余計太郎を興奮させました。
「すっかり準備が整っているようだな。」
天狗は、太郎の中の変化を見逃さず、好色な笑いに口元を歪めながら、
「どれほど味がこなれたか、儂から味わわせてもらうとするか。」
そう言って、天狗は袴の紐を解き、着物をはだけて、褌をのぞかせました。もちろん、その褌はすでに突き上げる怒張を包み込んで大きく盛り上がっています。天狗が、その怒張を褌の脇から引きずり出すと、太郎は、その赤黒く反り返ったものに誘われるように、天狗の脇にひざまずき、ずるっ、とそれをのどの奥までくわえ込んだのです。
「お、おうっ、一段と上手になっているな……。」
太郎は、猛々しくそそり立つ天狗の怒張が、自分ののどの奥を犯す感触に陶然となっています。
「どれどれ、こちらのほうも、いい具合にこなれているに違いない。」
四つんばいになって天狗の怒張に奉仕している太郎の着物をたくし上げるようにして、もう一人の天狗が太郎のぷりぷりした尻をむき出しにしました。そして、手早く太郎の褌を外すと、腰に付けていた小さなひょうたんから妖しげな、ぬめっ、とした塗り薬を指先にたっぷりと取って、太郎の尻の穴に塗り込むようにしました。もちろん、太郎の尻の穴は、天狗の指を難なく根本まで、物欲しげに蠢きながらくわえ込むのでした。
「ほう、なかなかのものだな。……だが、こいつを塗り込めば、もっとよくなるぞ。」
その天狗は、満足げにうなずきながら、太郎の尻の穴の奥まで、その妖しげな塗り薬をまんべんなく塗り込みました。
「こちらのほうは、儂が最初に味わわせてもらうぞ。」
そして、自分の怒張を褌の脇から突き出すと、ゆっくりと太郎の尻の穴を貫いていったのです。
「うぐうっ……。」
のどの奥まで怒張に犯されているので太郎は声が出せませんでしたが、自分の尻の穴を熱い固まりに陵辱されるのを感ながら、太郎は、全身を快感で貫かれていました。さっきの妖しい塗り薬のせいか、身体の奥が重いような感覚はなく、ひたすらとろけるような快感が尻の奥から下半身に広がります。そして、もう一つの怒張に犯されているのどの奥の感触と共鳴して、太郎は、これまでに味わったことのない快感のるつぼに投げ込まれてしまったのです。
「おおうっ、これは、ぬめぬめと、引き絞るように攻めてくる。こんなにこなれた尻の穴は初めてだ……。」
太郎の尻の穴は、天狗が怒張を抜き差ししようとすると、締め上げてそれに抵抗するかのようです。
「こ、こんなことが……。」
そして、その天狗は、大して腰を振らないうちに、
「ううっ、不覚を取った……。」
自分の怒張を太郎の尻の穴の奥まで打ち込むと、尻をけいれんさせて、大量の精を太郎の身体の中に放ったのでした。
 こうして太郎は、上の口と下の尻の穴で、並み居る天狗達の膨張しきった怒張を次々と受け入れていきました。
「あおうっ、これは、すごい……。」
布団の夜伽で鍛えた太郎の口淫と尻穴淫には、さすがの天狗達も長くこらえることができずに、次々と青臭い匂いを放つ精を噴き上げたのです。
「くううっ、儂の夜伽に掠っていきたいくらいじゃ。」
最後の天狗は、太郎の尻を両手で抱えて、自分の腰を深く打ち付けながらそう言いました。
「駄目だ、駄目だ。この若者は、これからもこの宴の酒の肴になってもらわねば。独り占めはならんぞ。」
最後の天狗が尻の肉をふるわせて太郎の身体の中に噴き上げる様子を見ながら、周りの天狗達はそうはやし立てました。
「ご苦労だったな。」
そして、最初の天狗は、ぐったりとうつぶせている太郎を抱き起こそうとしました。天狗達の怒張を受け入れながら、太郎自身も何度精を漏らしてしまったかわからないくらいだったのに、最後の天狗のほとばしりを身体の奥に感じて、太郎の下腹部は、また隆々と反り返ってしまっています。
「ほう、まだ物足りないと見える。」
そして、天狗は、他の天狗にも太郎の怒張がよく見えるように、太郎の身体を後ろから支えるようにしながら、その怒張を、ぬちゃぬちゃ、としごき上げたのです。
「あう、あううっ……!」
天狗の怒張で尻の穴を犯されながらひっきりなしに襲ってくる快感に翻弄されていた太郎は、その刺激に耐えることができず、びゅうっ、びゅうっ、っと激しく精を噴き上げました。
「ほほう、なかなかのものじゃ。」
周りの天狗達は、快感の名残に荒い息をしている太郎をながめながら、杯を傾けたのでした。

 こうして太郎は、天狗達によって身体に刻み込まれた快感を忘れることができず、天狗達の宴がある日を指折り数えて待つようになったということです。もちろん、毎夜、天狗からもらった布団に夜伽をしてもらって、自分の口や尻の穴の寂しさを紛らわせたていたのは言うまでもありません。