太郎君は、大好きな某陸上競技選手のグラビアを見ながら、激しく右手をピストン運動していました。
「あ、あ……。出ちゃう……。」
両足をぐっと突っ張った太郎君は、真っ赤になったものから、ピッピッと白く濁ったゼリーを噴き出しました。
「あ、やべぇ……。」
太郎君の出したゼリーがその陸上選手の顔の上に飛び散ってしまったのです。まだどくどくゼリーの流れ出しているものから手を離して、太郎君はあわててそれをティッシュで拭き取ろうとしました。すると、その時、
「呼んだかい?」
誰かが太郎君の肩をたたくのです。びっくりして太郎君が振り返ると、太郎君がゼリーで汚した陸上選手の写真にそっくりな人が立っていました。
「……。」
びっくりしてしまって、太郎君は何も言えません。
その人は、太郎君の股間を見てニタニタすると、
「なんだ、ベトベトにしちゃってるじゃないか。早くパンツをはかないと風邪を引くぞ。」
そういって、勝手に太郎君のベッドに腰かけました。太郎君は赤面しながら、ゼリーでベトベトになってしまった股間を拭くと、まだ堅いままの物を無理矢理ブリーフに押し込んでしまいました。
「いったい、あなたは……。」
太郎君は恥ずかしい姿を見られてしまったので、しどろもどろです。
「……これだからいやになるんだなあ。」
その人はちょっときょとんとした後で、うんざりした表情になりました。
「トウシロがこういうことしてもらっちゃ困るんだよ。」
その人はそう言うと、太郎君のゼリーが飛び散ったグラビアを指さしました。
けれども太郎君には、何のことやらさっぱりわかりません。それで黙ったままでいると、その人はちょっと顔をしかめました。
「写真の上に精液で逆十字を書いたら、その人の姿をした悪魔を呼び出すまじないなんだぜ。」
あわてて太郎君が見てみると、ティッシュで拭くときにつけたゼリーの跡と、飛び散ったときのゼリーの跡がちょうど逆十字になっていました。
「そんな、僕は、そういうつもりじゃ……。」
太郎君はあわてて弁解しようとしました。
「それは、わかってるさ。だけど俺は、呼ばれた以上は、何もしないで帰るってわけにはいかないんだ……。」
お互い困った立場になってしまったもんだ、と二人はしばらくの間、顔を見合わせたまま黙り込んでいました。
「ふーん。」
けれども、本当は、太郎君にはあんまり自分の立場がよくわかっていなかったのです。
好奇心の強い太郎君でしたから、最初の驚きが収まってくると、初めてみる悪魔というものを、しげしげとながめたり、こわごわ触ってみたり、果ては匂いをかいでみたりしました。
「何だよ。」
悪魔はうさんくさそうに言いました。
「悪魔って言ったって、人間と同じなんだなあ……。」
悪魔は太郎君の真剣さがおかしくてたまらないようでした。
「尻尾ぐらいはあるぜ。」
悪魔はズボンのポケットに詰め込んでいた尻尾を取り出して、太郎君に見せてくれました。
「じゃあ……、もっとほかのところは……?」
太郎君は、勇気を奮い起こして言いました。なんと言ったって、悪魔は、太郎君の大好きなあの陸上競技の選手にそっくりなのです。どうやら太郎君は、好奇心が強いだけじゃないようです。それにしても、たった今、自分で出したばっかりだというのに……。
悪魔は、太郎君の言葉を聞くとニヤッと笑って立ち上がりました。
「触ってもいいぜ。」
むき出しになった悪魔の下半身には、赤黒く逞しいものが息づいていました。太郎君は、スプリンターのように筋肉でごつごつの太腿を両手で抱えると、そっと口を近づけていきました。
「う……んぐ。」
太郎君が、ぬるっ、と吸い込んだものは、口一杯になってもくわえきれないくらいでした。悪魔が引き締まった尻にちょっと力を入れると、太郎君の口の中のものはびくんと脈を打ちました。太郎君は、汗の味のするそれを、なめたり、吸ったり、ぐちょぐちょと淫らな音をたてて大奮闘でした。
「おい、出るぞ……。いいのか?」
悪魔は下腹部に押し寄せてくるむずがゆい快感が我慢できなくなり、灼熱したものを太郎君ののどの奥まで押し込むと、太郎君がむせてしまうほどたくさんのゼリーを注ぎ込んだのです。