太郎君が悪魔について歩いていくと、数人の男の人が温泉につかっていました。けれども、温泉にしてはちょっと様子がおかしいのです。よく見ると、その男の人たちは二人ずつ抱き合うようにしてつかっています。それも、向かい合ってではなくて、一方が後ろから抱きかかえているのです。後ろにいる人の体は微妙に振動していて、二人とも泣き出しそうな表情をしています。
「あれは……温泉?」
太郎君が不思議に思って尋ねますと、悪魔はちょっとバツの悪そうな顔をしました。
「一応、名前は血の池地獄なんだけど……。」
それにしては赤くありません。
「でも、赤くないよ。」
太郎君がそう言うと、悪魔はしぶしぶ説明し始めました。
「十年ほど前までは血が入っていたんだ。」
「どうしてやめたの?」
悪魔は黙って赤くない血の池の中を指さしました。
 太郎君が悪魔の指さしたところを見ると、さっきの二人組になってもつれ合った人たちがいます。
「血の池がねとねとしてるもんだから、すぐああいうことをやるんだ。」
太郎君がわけがわからなくて肩をすくめていますと、悪魔は、急に太郎君の体を後ろから抱きました。
「こうやってるんだ。」
悪魔が腰をゆすると、太郎君の尻に悪魔の股間の堅いものが当たります。血の池の中で二人組の男の人達のやっていることがやっとわかった太郎君は、恥ずかしさで赤くなってしまいました。
「あんなふうにするもんだから、せっかくの赤い色が白い液で濁っちゃって……。それじゃ、いっそのこと、っていうんで、血のかわりにワセリンを入れちゃったんだ。」
悪魔がそう言ったとき、血の池から、
「ああ……、いっ、いくう。」
という声がして、しばらくするとワセリンの池に、白いゼリーが浮かんできました。
 それを見て、太郎君はやっと納得した顔になりましたが、悪魔にいじられている下腹部のほうは納得してくれません。
「ちょうどいいから、おまえにも血の池地獄を味わせてやろうか。」
「僕、僕はいいよ。」
太郎君は、あわてて悪魔の腕の中から逃れようともがきましたが、その時にはもう、太郎君のびんびんに突き勃った下半身は裸にされていました。
「あ……。」
お尻の穴に熱いものが当たるのを感じた太郎君は、思わず声を上げてしまいました。
「おっと、このままじゃ痛いかな。」
そう言って、悪魔が太郎君のお尻に、ぬめっ、と塗りつけたのは、血の池からすくったワセリンでした。
「ああ……。」
悪魔は、太郎君の尻の穴を指でぐりぐりとこね回すようにして押し広げると、いきなり、堅くなったものを突き当ててきました。けれども、血の池地獄のせいで滑らかになっていた悪魔のものは、意外と簡単に、ずるずるっ、と太郎君の中に侵入してきました。
 最初、悪魔のものが入ってきたとき、太郎君は思わず体を堅くしましたが、ぐぐっ、と奥深くまで押し込まれてしまうと、あんまり痛くないことに気づきました。悪魔のやり方がうまいのか、太郎君は、痛みを感じるどころではなく、もどかしいような感覚に、今度はエッチなうめき声を上げてしまったのです。
「あ、いい……。」
悪魔はその言葉を待っていたように、太郎君のかわいい尻にめり込ませたものを、ゆっくりと抜き差しし始めました。悪魔は、太郎君に自分の肉棒を抜き差ししながら、太郎君の下腹部にまわした両手で、ぐちょぐちょと、ぴんぴんになっている太郎君のものをこねまわしてきます。もちろん、悪魔の手には、さっきの血の池地獄の残りがついていてぬるぬるですから、太郎君はひとたまりもありません。
「う、いっちゃいそう……。」
太郎君は体を緊張させて大きくのけぞると、悪魔に刺激されているものの先端から、びゅっびゅっ、とワセリンの血の池に白いゼリーを発射しました。そして、そのすぐ後には、太郎君の体の中にも、悪魔の太い注射器から、どくどく、と濃いゼリーが注ぎ込まれたのです。
 悪魔が尻の穴から、ずるっ、と出ていくと、太郎君は、地面に座り込んでしまいました。きっと、初めての強い刺激で、腰が抜けてしまったのでしょう。
「どうだ、気持ちよかっただろう。」
悪魔は、まだワセリンや自分の体液で濡れているものをしまい込みながら、太郎君を見おろして笑いました。
「まだまだ地獄めぐりは、これからなんだから、早く服を着な。」
やっとのことで、太郎君は立ち上がりましたが、まだ足元がふらふらしているようです。
「こんなことでへたり込むようじゃ、先が思いやられるぜ。」
悪魔はそう言って、太郎君の唇に、自分の口を持っていきました。その、ねっとりした舌に、太郎君はさっき味わった快感を思い出して、思わず下腹部に力を入れてしまいました。すると、恥ずかしいことに、悪魔が太郎君の体の中に残していった粘液が、どうやら尻の穴から漏れだしたようなのです。
「あ……。」
太郎君、その感覚に、ぞくっ、となってしまいました。そして、また、むくむく、と勃ち上がってきそうになる下腹部に気づいて、大あわてでズボンをはきました。