その時、二人は、突然、呼びかけられました。
「やあ、久しぶりじゃないか。」
太郎君が振り返ってみると、それは、太郎君のお気に入りにの陸上競技選手そっくりの悪魔でさえ色あせて見えるぐらい、本当にいい男でした。ジョギングでもしていたのか、シューズにランニングパンツで、しかも汗に輝く上半身は裸でした。太郎君は、そのぶ厚い胸板に光る汗がまぶしくて、まともに相手を見ることができません。
「久しぶりだな。」
けれども、悪魔のほうはなんだか浮かない様子です。
「かわいい子を連れてるじゃないか。」
相手がそう言っても、悪魔は、
「ああ。」
と生返事をするだけで、それどころか、その人にすっかり夢中になっているらしい太郎君の耳元に、
「こいつだけは、絶対駄目だぞ。」
とささやくのです。太郎君にはその悪魔の言葉が聞こえているのでしょうか。
その人は、悪魔のそんな素振りを全然気にもとめていないようです。
「君、かわいいね。」
と言うと、太郎君のあごに指をかけました。
「誘惑にのっちゃ駄目なんだぞ。」
とうとう悪魔は大声で、太郎君に忠告してくれましたが、太郎君はどうやら、相手がいい男だと何も考えられなくなるようです。太郎君は自分から進んで唇を突き出して、その人の唇を求めました。
「俺のものになるか?」
その人の言葉にも、太郎君は催眠術にかかったように、こっくりとうなずきました。そして、その人の唇が触れた瞬間、太郎君は、自分の全身から力が抜けてしまうのを感じました。もちろん、さっきから猛り勃っていたところだけは、ますます堅く、かちんかちんになりましたが。
「こんなに堅くなっているじゃないか。」
その人は、斜め上にピンと突き出した太郎君のものを、ぐっとつかみながら言いました。いつのまにか太郎君は、素っ裸にされてその人の胸に抱かれていたのです。
今まで見た地獄の様子にすっかり興奮していたせいか、太郎君は、その人に握られただけで、びっびっ、と発射してしまいました。
「ああん……。」
自分でいじるときは、発射してしまうとしばらくの間は、下半身のおもちゃを触ってもくすぐったいだけなのです。それなのに、今は、勃ちっぱなしで、少しも柔らかくなろうとしないばかりか、発射した後も、ずっと、頭が変になってしまうぐらいの快感が続いています。
「いい……。」
太郎君は、思わず腰をくねらせて悶えてしまいました。
「もっと気持ちよくなるぞ。」
瑞々しい筋肉のついた太郎君の裸は、その人になめ回されています。
「いい、……出ちゃう、出ちゃうよ。」
太郎君はそう叫ぶと、一回目にも劣らないぐらいたくさんのゼリーを噴き出しました。
それでも勃ったままの太郎君のものに、噴き出したぬるぬるのゼリーをまぶすと、その人は何やら呪文を唱えていましたが、
「……。」
と気合いを込めて、つかんでいた太郎君のものを、太郎君自身のお尻の穴に突っ込んでしまったのです。
「ああ……。」
太郎君は、全身が鳥肌立つほどの快感を味わいました。自分のいきり勃ったものに、びくん、と力を入れると、お尻の穴が、ぐりっ、とこねまわされるのです。
「駄目だよ……。」
太郎君は泣き声を上げながら、今度は、自分のお尻の中に発射しました。ぐっ、とゼリーが出てゆく瞬間、下腹部に力を入れるものですから、お尻の穴が、ぎゅうっ、と締まるのです。あまりに気持ちよさに、太郎君は失神してしまいました。
「他愛ないガキだな。」
その人は、もう太郎君が気を失ってしまったので、ちょっとつまらなそうです。
でも、悪魔は、自分の肉棒で自分のお尻の穴を犯している太郎君の痴態を見て、ちょっと寂しそうでした。
「閻魔大王は、かわいい子だとすぐほしがるんだから……。シャバから連れてくる者の身にもなってくださいよ。」
その人は悪魔を振り返ると、ちょっと含み笑いをしました。
「なんだ、おまえ、こいつの惚れたのか?」
仕方なく悪魔はうなずきました。
「手を出すなよ。こいつは、自分のケツに自分のサオで栓をしたまま、しばらくは俺のおもちゃになるんだからな。」
悪魔は、仕方のないこととはわかっていても、かわいい太郎君がちょっとかわいそうでした。
「余計なことを考えずに、さっさと次の獲物を探しに行ってこい!」
悪魔はそう怒鳴りつけられて、大急ぎでシャバのほうへ歩き始めました。
「だから、誘惑にのるなって言っといてやったのに。……それも、よりによって閻魔大王なんかに……。」
けれども、淫乱な太郎君のことですから、本当は、こんな気持ちのいいことをされるのなら、いつまでももてあそばれていたい、なんて思っていたのです。