『今日はノーパンで乗るんだぞ。ゴムをつけておけば、スーツにシミもできないし、思いっきり電車の中でぶっ放すこともできるぜ。』
今朝も、部屋から出ようとした時に、携帯メールが届いて、今朝の俺の通勤の恥態を指定する。駅まで歩きながらそのメールを読んで、俺は、これから自分がやらなければいけないことを思うだけで、ビキニで押さえ込んでいるものは、ぐんぐん堅く大きくなってしまう。本当はスーツの時にはトランクスのほうが楽でいいと思っているが、このメールを受け取るようになってから、ビキニをはいてものがでかくなっても押さえ込めるようにして出勤しなければならなくなった。それなのに、そのビキニを脱がなきゃいけないなんて。俺は、駅のトイレに入って、手早くズボンを脱ぐと、すでに透明な粘液で濡れてしまっているビキニを脱いで、用もないのに持ってきたカバンの中に突っ込んだ。そして、スーツのポケットに入れてきたゴムを取り出すと、しごいたりしなくても、すでにびんびんにに上を向いて反り返ってしまっているものに、ゆっくりとかぶせていった。黒いゴムで精悍さを増した感じのする俺のものは、脈に合わせて、ひくん、ひくん、とゆれている。
『こんな状態で……。』
そのままスーツのズボンをはいたが、押さえつけるものがないので、俺のズボンの前は明らかに突っ張ってしまう。俺は、カバンを持ってきたことに感謝しながら、なんとかそれでズボンの盛り上がりを隠してホームに向かった。
「お下がりください。」
今日は、いったいどんなやつに嬲られることになるんだろうか。そして、そいつは、俺がスーツのズボンの下はノーパンで、しかもゴムをつけていつでもぶっ放せるようにしているのに気づけば、どんな目つきで俺を見るんだろうか。そして、嬲られながら顔を上気させて恥ずかしさに耐えている俺の顔を、携帯メールのアドレスの持ち主は蔑むように観察しているんだろうか。そんなことを考えただけで、俺は、そのまま果ててしまいそうな気分になる。ホームに滑り込んできた満員電車に体を押し込みながら、俺は、すでに自分が全身で発情していることを知っていた。
「う……。」
そんなことを考えながらちょっとぼんやりしていた俺は、後ろの人垣に押されて、倒れ込むように満員電車の中に押し込まれ、十分な体制を確保できないまま、人垣の中に塗り込められてしまった。俺の目の前には、いかにも好色そうなオヤジがいて、まだ電車が走り出してもいないのに、鼻息を弾ませながら、俺にねっとりした視線をからませてきていた。年上のオヤジにもてあそばれるのも決して嫌いじゃない俺だが、ここまでストレートに欲望が顔面ににじみ出しているタイプは、さすがに遠慮したかった。それで、俺は、違う方向に視線をそらせたが、そのオヤジは、自分の手を俺のカバンとスーツの間に強引にねじ込もうとしていた。電車が走り出して、一瞬の空白があり、そのオヤジのたくらみはまんまと成功してしまった。電車が安定して走り出すと人垣は元のように俺を締め付けて、自動的に、そのオヤジの手は、俺の下腹部に押しつけられることになった。
「あっ……。」
しかも、さっきからの期待感で、ゴムをかぶせた俺のものは、スーツのズボンの中で堅く突っ張ったままだ。
「ふっ……。」
オヤジは、俺がノーパンで、しかも、びんびんに勃てていることを知ると、勝ち誇ったよう、卑わいな笑いを口元に浮かべた。そして、ズボン越しに俺の堅くなったものを握り締めて、蔑むかのような視線で俺の顔を見た。この混雑の中では、そのオヤジの視線を逃れることはできない。俺は、決して、こんなオヤジにもてあそばれることを期待してびんびんに勃てていたはずではないのに……。けれども、オヤジにそんな目つきで見られると、自分の情けない状態に、
「うっ……。」
スーツのズボンの中でびんびんになっているものが、ひくん、と反応してしまうのをどうしようもない。きっと、オヤジはそんな俺の反応を、肯定的に解釈したに違いない。
「ふふ……。」
ますます、卑わいに口元をゆがめると、容赦なく俺のものをズボン越しにしごきあげ始めた。
「っ……。」
俺は、オヤジにしごかれることで、自分の欲望がもはやどうしようもなく燃え上がるのを感じていた。こんなオヤジに絞りとられるのか、と思うと、情けなくなる反面、どうしようもなく興奮してしまう俺がいた。俺のびんびんのものを包んでいるゴムの中は、すでに先走りでぬるぬるで、もしゴムをしていなければ、きっと俺のズボンは今頃どす黒い欲望のシミでシミで汚れていたに違いない。俺は、とうとう、堅く目をつむってうつむきながら、下半身のものからこみ上げてくる快感に屈服していた。
「気持ちいいか?」
オヤジのねっとりした息が俺の耳元に吹き付けられて、その感覚に俺は、身震いするようだった。
「っ……。」
俺の身体が、びくん、と反応するのを見て、オヤジは、俺のものの裏筋を、指先できつくなぞりながら、
「こうか?」
俺の耳元に、また息を吹き込んだ。
「ああっ……。」
俺は、まずいと思いながらも、自分が声を出してしまうのをどうしようもなかった。
『こんなオヤジに……。』
けれども、そのオヤジの手によって、俺は欲望をかき立てられている。そして、そう思うことが、より一層、俺の欲望の炎に油を注いでいた。
「いかせて欲しいんだろ?」
満員電車の人垣に押し込まれたまま、こんなオヤジに絞りとられるなんて……。俺は、自分への言い訳のために、そのオヤジの手から逃れようともがいてみたが、そんなことぐらいで俺のびんびんのものへの刺激が止まるはずがなかった。それどころか、電車がスピードを上げるのと合わせるように、オヤジが俺のものをしごく速度も速くなって、俺の下半身からこみ上げてくる快感も、歪んだ終点に向けて走り出していた。