今朝の高校生とリーマンとの痴態を思い出すと、トイレの中であんなに激しく噴き上げたにもかかわらず、それだけで下半身が元気なってしまうのは我ながら困ったものだが、そんな俺の様子を見透かすように、昼休み直前に携帯が振動してメールの到着を告げた。
『今朝はお楽しみだったじゃないか。せっかくだから、今日はもっと楽しんでもらうことにしよう。昼休みにポルノショップでロータを買ってこい。そして、ケツにロータを仕込んで最終電車に乗るんだ。確か、おまえのスーツのズボンのポケットはマスかき用の穴が開いてたはずだから、そこからロータのスイッチを通しておけ。』
その露骨な文面に、俺は思わず誰かにそのメールをのぞき見られていないか、あたりを見回していた。俺は、自分が赤面してしまったいるのがわかった。
『こんなことって。』
ポルノショップのある場所くらいは知っていたが、昼休みに独りでそんなところに行くなんて。しかも、ロータを買うなんて。メールの文面を見ながらとまどっていると、もう一通メールが届いて、
『ちゃんと言うとおりにしないと、後悔することになるぞ。』
俺に選択の余地がないことを告げた。だから、俺は、昼休みになると大あわてで外出したが、それは、本当に駄目押しのメールを受け取ったからだっただろうか?ポルノショップまで歩いていく間、メールで指摘されていた俺のスーツのズボンのポケットの穴は、自分の意志に反して元気になってきてしまうものを目立たないように押さえつけるためにずいぶん役に立った。俺のものが元気になってしまうのは、最終電車で起こるかもしれないことへの期待感だったんだろうか、それとも、これから買おうとしているロータへの好奇心だったんだろうか。なんにしても、ポケットの穴から手を突っ込んで押さえているものを、そのまま『マス』ってしまわないようにするのは大変だった。ポルノショップでは、難なくロータを見つけることはできたけど、
「ありがとうございました。」
こんな時間に、しかもスーツ姿のリーマンがロータを買いに来るなんて、という若い店員の好奇の視線が突き刺さるようだった。それとも、彼の好奇の視線は、片手をズボンのポケットに手を突っ込んでなんとか押さえ込んでいる俺の股間に向けられていたんだろうか?俺は、買い込んだロータをスーツのポケットに無理矢理押し込んで会社まで帰ってきたけど、そこから先の午後の時間は、遅々として進まなかった。事務机の引き出しに入れたロータの存在が気になって、俺は、仕事どころではなかったのだ。何とか仕事に集中しようとしたけれども、結局、俺は、とうとう我慢できなくなって、まだ夕方だというのに、買ってきたロータを持って会社のビルのトイレに向かっていた。できるだけ人の来そうにないトイレを選んで個室にはいると、ズボンを降ろして便器に腰を降ろした。俺の股間には、卑わいなことへの期待でガチガチになっているものが勃ち上がっていて、その先端からは透明な粘液があふれ出していた。そのままそのぬるぬるになった先端部分をしごいて快感の絶頂を迎えたい衝動に駆られたが、俺はなんとか我慢して、買ってきたロータを取り出した。それは、白くて丸っこいプラスチックの固まりだったが、紐でつながれたスイッチを入れると、ぶーん、と低いうなりをあげて俺の手の中で細かく振動した。
「こんなのを体の中に入れるなんて……。」
おまけで付いているローションを少し垂らして、ぬるぬるになったロータをケツの穴に押しつけるようにすると、思いのほかすんなりと入ってしまった。
『まあ、この程度の大きさなら入ってもあたりまえだな……。』
体の中に入ってしまうと、もう、それが本当に入っているのかどうかさえわからないくらいだった。俺は、おそるおそるロータのスイッチを入れてみたが、その瞬間、俺の下腹部から全身に電流が駆け抜けていった。
「……んっ。」
気持ちいいのかどうかはわからないけど、とにかく、その強烈な刺激に、思わず声が出そうになるのを必死でこらえると、俺は、あわててスイッチを切った。
『こんな刺激、初めてだ。』
全身から力が抜けてしまいそうになる刺激に、俺は、しばらくの間、目をつぶったまま、その感覚の余韻に浸っていた。すると、その時、胸ポケットに入れていた携帯が振動して、俺は、飛び上がりそうになるくらい驚いた。
『おまえのことだから、どうせ我慢できずに、トイレでロータを仕込んでみたんだろう?どうだ、感想は。せっかくだから、終電になるまで、ケツにくわえ込んだままにしな。なんなら、スイッチを入れたままでもいいぞ。』
まるで俺の行動を見透かしたかのようなメールの内容に、俺は、全身が熱くなるような気がした。これ以上トイレでいると、自分のそそり勃ったものをしごいて最期の快感までたどり着かずにはいられなくなりそうだったので、俺は、そそくさと身支度をして、言われていたように、ロータのスイッチをポケットの穴から通すと、ロータそのものはケツに仕込んだままで席に戻った。スイッチを入れていなければそんなに物理的な刺激があるわけではなかったが、仕事をしていても、スーツのズボンのポケットに、どうしようもないような強烈な刺激を自分に与えるスイッチがあると思うだけで、俺のものはびんびんになってしまう。もし、そのスイッチを入れると、さっきのあの刺激が俺に襲いかかると思うと、俺はめまいがしそうだった。
もどかしいような時間の中で、俺のまわりで残業をしていた人達もだんだんと帰っていく。
「じゃ、お先に。」
トイレでロータをくわえ込んでからというもの、俺は、自分の下半身の状態を何とかしようと仕事に意識を集中したが、次々に帰っていく人達を見送るたびに、終電の時間がだんだん近づいていることを思い出して、せっかく大人しくなりかけていたものが、また、びんびんになってしまうのをどうしようもなかった。
『あんなものが俺の体の中に入ったままなんだ……。』
そう思うだけで、スーツのズボンには卑わいなシミがまた一つできてしまう。そんなことを繰り返しているうちに、オフィスの中はがらんとしてしまった。
「そろそろ出ないと間に合わないかな……。」
時計を確認してから、俺は、もう一度トイレに駆け込んで、びんびんになって粘液をあふれさせているものにゴムをかぶせて、スーツのズボンの盛り上がりをダミーのカバンで隠し、終電に間に合うように街を歩いて行った。