俺が、出張から帰ってくると奴は、露骨にうれしそうな様子をした。
「お疲れさまでした、先輩。」
俺は、
「ああ。」
軽くうなずくだけにする。
「きのうは、電話に出てもらえなかったので心配したっす。」
確かに、携帯に着信しているのには気がついていたが、その時は、ホテルの部屋に連れ込んだ野郎が俺の股間にしゃぶりついていて、とても電話に出られる状態じゃなかったからな。
「そういう、おまえこそ、俺のいない間に、エロいことやってたんだろう。」
それとも、そのまま電話に出て、奴に、じゅぼじゅぼいう音を聞かせてやるのも一興だったかもしれない。そうすれば、奴の自涜行為(マスターベーション)にもいっそう熱が入っただろうに。
「やってないっす。」
奴は、すぐにそう否定した。
「本当か?じゃあ、検査してやるから、今すぐ裸になれ。」
ほんのしばらくの間躊躇しているようだったが、すぐに、奴は、身につけていたスウェットとTシャツを脱いで俺の目の前で全裸になった。
「俺の身体は、先輩に遊んでもらうためにあるっすから。」
見え透いたことを。
「じゃあ、これはなんだ?」
俺は、ゴミ箱の中に、これ見よがしに捨てられている、黄色く変色したティッシュペーパーの固まりを取り出して、奴に放り投げた。
「そ、それは……。」
出張に行く日の朝に、俺はゴミを捨てていったから、これは俺以外の誰かの体液だよな。
「身体がうずいて仕方ないから、そこら辺で適当な野郎を引っかけてきたのか?」
俺がそう言って嘲笑うと、奴は、
「そ、そんなことないっす。先輩以外の野郎に、指一本、自分の身体に触らせたことはないっす。」
必死になって言った。そうかもしれないな、おまえなら。
「じゃ、これはおまえのだろ?」
俺は、奴の持っているティッシュを取り上げて、その固まりをほぐすと、
「ほら、匂ってみろよ。」
まだ湿っているごわごわの中心部を奴の鼻に押しつけた。
「うっ……。」
奴は、素直に、ほとんど乾いてしまっている自分の体液の匂いを吸い込んだ。
「いい匂いだろ?」
もちろん、奴の下腹部は、それだけで、ぐっ、ぐっ、とかま首を持ち上げ始めている。
「たった一晩も我慢できないのか?」
俺にそう責められて、すでに、奴のものは、極限までびんびんに膨張していた。
「本当に淫乱だな、おまえは。」
俺は、そう言いながら、ごほうびの刺激を待ち受けている奴のかま首を、びんっ、と指ではじいてやった。
「うっ……。」
奴は、痛そうな表情をしたが、そのくせ、そのかま首の先端の割れ目からは、ふっ、と透明な粘液があふれ出した。
「いったい、どんなことをしたのか、ちゃんとやってみろ。」
奴は、恥ずかしそうな顔をして、
「勘弁して欲しいっす……。」
自分のびんびんになったものを両手で隠そうとしている。これまで、さんざん、俺に恥知らずな格好をして見せているくせに、今さら恥ずかしがってもしょうがないだろう?
「さっさとやれよ。」
俺は、乱暴に奴の両手をはねのけた。もちろん、奴のものは、びんびんのままで、それどころか、そのかま首の先端の割れ目からは、また、透明な粘液があふれ出している。
「おまえが、俺のいない間に、どんな悪さをしているのか、ちゃんと知っておかなきゃいけないだろ?」
俺が強く言うと、奴は、観念して床のラグの上に足を投げ出してすわると、さっきからびんびんのまま、かま首を持ち上げているものを、右手でゆっくりと扱き始めた。
「本当にそれだけか?」
それくらいの刺激で、どスケベなおまえが満足するわけがないよな。
「最初は、こうだったっす。」
奴の手には、さっきからあふれ出している粘液が粘りついて、ぐちょぐちょ、といかにも卑わいな音をたてている。
「どうせ、すぐに、それじゃ物足りなくなって、もっと淫乱な格好をしたんだろう?」
俺が、足先で奴の乳首を嬲るように突っつくと、
「うっ……、そうっす……。」
奴は、観念したような表情になって、壁に立てかけた鏡の前に移動した。そして、大股開きになって、右手の指を自分のケツの穴に添えて、左手で相変わらずびんびんのものを激しく扱き始めた。
「おまえは、本当に淫乱だな、そんな格好でやるなんて。」
俺がそうなじっても、奴の手は休むことなく、自分の下腹部でびんびんのものをしごき上げていた。
「淫乱な自分の格好を鏡に映してうれしいんだろ?」
俺が鏡の中から奴の恥態をのぞきこんでやると、
「恥ずかしいっす……。」
奴は、俺の視線から顔を背けた。
「どうせ、そうやって、鏡に映して、誰かに見られてるつもりになって、自分でしごいてたんだろう。」
すると、奴は、
「ち、違うっす……。先輩に見られてるつもりになって、俺は、こんなことも……。」
そう言いながら、ゆっくりと自分のケツの穴に指を埋めていく。
「気持ちよくなりたいからやってるんだろ、そんな変態的なことを。」
奴の表情が卑わいに歪む。ぐちゅぐちゅとしごいているものやケツの穴からの物理的な快感なのか、俺に嬲られている心情的な快感なのか、それとも両方なのか、いずれにしても、その表情は、俺のどす黒い欲望をそそるものには違いなかった。
「ほら、もっと動かしてみろよ、この指を。」
奴の手首を持って、ちょっと乱暴なくらいに奴の指をケツの穴に出し入れする。奴は、その指の動きに反応して、
「あっ、あっ……。」
悲鳴のような声を上げて悶える。
「俺のいない間に、こんな恥ずかしいことをやっているなんて、あきれた奴だな、おまえは。」
奴がしごいているものをとりあげて、そのぬるぬるの先端部分をこねまわしてやると、
「も、もう駄目っす、先輩。」
それは一段と堅くなって、青臭い樹液を噴き上げながら、俺の掌の中で激しくけいれんし始めた。