転勤する前の寮からは、何とか自転車で行けるくらいの距離に公園があって、俺は、そこに、時々遊びに行っていた。もちろんガキじゃないから、俺が公園に出かける時間は夜中になってからだったが。ところが、この転勤先の寮には、前よりも近い距離のところにそういう公園があるとのことだった。もちろん、転勤してしばらくの間は、俺も大人しくしていたが、そのうちに、どすけべなことをしたくて、体がうずいてどうしようもなくなってしまった。ついに、その公園に出かけてみることにして、俺は、シャワーを浴びた後で、ケツ割れサポータを引っぱり出した。すると、例の引っ越しの時に汚したサポータがそのままになっているのに気づいた。
「ばりばりじゃないか。」
濃厚な匂いがして、俺は、それだけで、腰に巻いているバスタオルの前がテントを張ってしまう。
「これにするかな……。」
こんなのをはいてれば、俺は、ほんとにすけべだと思われるな。ちょっとごわごわするそのケツ割れサポータをはいて、俺は、その上からジーンズをはいた。そして、Tシャツに首を通して、そのまま自転車にまたがって公園へと向かった。公園の場所はすぐにわかったが、一見それらしくは見えないので、俺は公園からちょっと離れたところに自転車を停めて、歩いて公園の中へ入っていった。外から見た目と違って、公園の中には、一発抜くことだけが目的の男達が、すでに、何人かうろうろしていた。
「なるほど……。」
歩いてみると、すぐに、そこが一発抜くための場所だということを納得できた。街灯はあるものの、豊かに茂った木が、いたるところに影と死角を提供している。ここでは、俺のことを誰も知らないと思うと、余計淫乱になってしまう。自分ではけっこう恥ずかしがりやのつもりだが、こんなにジーンズを大きく盛り上げていて、恥ずかしがりやもないな。俺は、ゆっくりと公園の中の道を歩いていきながら、どうやら自分が、斜め前の木の下にいる男の標的になったらしいことに気がついた。
「……。」
俺がちょっと立ち止まってその男に目をやると、そいつは、すでに大きく盛り上がっているスウェットを、片手で押さえてみせた。分厚い胸板を見せびらかすように胸を張ると、ちょっとくらい目つきで俺を見つめている。俺が奴を見ていることに気がつくと、ほんのちょっとうなずいて、俺を誘った。俺は、ゆっくりと、じらすように奴に近付いていった。そして、俺は、奴から少し離れたところで立ち止まって、ちょっと上目づかいに奴の目を見た。奴は、ほんの少しいたずらっぽく笑うと、値踏みするような目つきで、俺の体を下半身に向かってなめていった。俺は、それだけで、ケツ割れサポータの中身が、ぐんぐん勃ってきてしまうのを感じていた。
「……。」
それで、俺は、奴が見ているのを意識しながら、ケツ割れサポータの中でぎんぎんに堅くってしまったものを斜め上の方向に修正して、ジーンズの上からも俺のものが完全に勃ってしまっているのがよくわかるようにした。
「……。」
奴の目が鋭くなって、俺のほうに一歩踏み出してきた。俺は、ちょっと腰を突き出すようにして、俺の下腹部に伸びてきた奴の手が、ジーンズの盛り上がりに届きやすいようにした。奴は、がちがちに勃っている俺のものの堅さを確かめると、俺の肩に手をかけて、奴がもたれていた木の反対側へ俺を連れ込もうとした。そこには、ちょうど歩道から死角になる位置にベンチがあって、ジーンズをずり降ろすような行為には理想的な場所だった。俺の背後に回り込んだ奴は、片手で俺の胸をつかんで、もう一方の手で俺のジーンズのジッパーを降ろし始めた。ジッパーを降ろすときの振動がサポータ越しに堅くなったものに伝わって、
「う……。」
俺は、ちょっと声を上げてしまう。奴は手を休めることなく、ジッパーを全開にした俺のジーンズを、ひざまでずり降ろしてしまった。
「ほお……。」
奴は、俺がケツ割れサポータをはいていることに気づいて、感激したような声を上げた。そして、背後から俺を抱くようにしながら、俺の口に人さし指を突っ込んでそれをしゃぶらせた。俺は、奴の指を十分になめて、俺の唾液でべとべとにした。奴は、俺の口の中を指でさんざんなぶってから、俺を前屈みにさせると、ずぶっ、とケツの穴にその指を突っ込んできた。
「ああっ……。」
指を一本入れられただけなのに、俺は、それだけで声が出てしまった。俺の声に刺激されたのか、奴は、いきなり俺をベンチに押し倒した。そして、ジーンズで絡まっている俺の両足を持ち上げた。俺のケツの穴は、ケツ割れサポータのせいでむき出しになってしまっている。奴は、スウェットのポケットを探ると、俺のケツの穴に、ぬるっ、としたものを塗り付けた。それから、奴もスウェットを足元までずり降ろすと、下腹部から暗闇に勃ち上がっているものにも、その潤滑剤をたっぷりと塗った。そのまま奴は俺にのしかかるようにして、俺のケツにその熱く堅いものを押しつけてきた。
「あっ……。」
俺は、ケツの穴に当たる堅い感触に、思わず自分のケツを持ち上げて迎えるようにしてしまった。
「そんなにこいつが欲しいのか……?」
はっきりと欲情している奴の押し殺した声に、俺は、目を閉じて顔をそむけながらも、期待を込めてうなずいた。俺がうなずくと、奴は、俺にのしかかるようにして、強引に俺のケツの穴に押し入ってきた。
「う、ううっ……。」
俺は、どうしようもなく声を上げてしまった。
「すごい……。」
ぎりぎりまで押し広げられて、俺は、久しぶりに頭の中が真っ白になるような充実感を味わっていた。
「うおっ……。」
俺は、ケツ割れサポータの中に、びゅるっ、びゅるっ、とぶっ放しながら、自分のケツが締め付けているものも、俺の中に熱い体液をそそぎ込んでいるのを感じていた。
「よかったぜ。」
奴は、まだけいれんしているものを、ずるずるっ、と俺のケツの穴から引き抜いた。
「うっ。」
射精して感覚が敏感になっている俺は、その刺激にまたうめき声を上げてしまった。そして、奴は、まだ、濡れてひくひくけいれんしているものをそのままスウェットに押し込むと、まだ荒い息をしている俺をベンチに放り出して、のっそりと闇の中へ消えていった。
「やばい……。」
ケツの穴はぬるぬるだし、ケツ割れの前はぐちょぐちょになっている。
「しょうがないな。」
俺は、覚悟を決めて、そのままジーンズをはくことにした。ジーンズをずり上げて、ベンチから離れようとした俺は、一部始終を別の男に見られていたらしいことに気がついた。
「見られてたのか。」
俺は、ちょっと照れくさかったが、今更どうしようもないので、そいつの横をすり抜けていこうとした。すると、そいつが、俺の前にちょっと立ちはだかるようにしたので、俺は、もう一度そいつをまじまじと見つめることになった。キャップを目深にかぶっているので顔は全然わからないが、スウェットっぽいそのスパッツの股間の盛り上がりは、俺の視線を釘付けにした。男は、盛り上がりに沿って、ゆっくりと指をはわせるようにして、俺を誘っていた。俺は、やっと小さくなりかけていたものが、またぐちょぐちょのケツ割れの中でむくむくと大きくなり始めるのを感じて、思わず、びくん、と下腹部に力を入れた。すると、そのタイミングで、ケツの穴に注ぎ込まれたさっきの奴の体液が、じわっ、と漏れ出してしまった。ジーンズはもうすっかりべとべと状態で、さすがに俺もそれ以上のことをあきらめて、未練はあったものの、乗り捨ててあった自転車のところに急ごうとした。そして、そのキャップの男とすれ違ったときに、俺は、キャップの下からのぞいたその横顔に見慣れたものを感じて不思議な気がした。そいつの横を通るときに一瞬合った視線は、俺の疑惑を決定的なものにした。
「あれは誰だったんだろう。」
気持ちの悪い股間を我慢しながら自転車を走らせる俺は、妙に気がかりだった。
俺は、独身寮の部屋に帰ると、急いでジーンズとケツ割れを脱いだ。
「派手にやっちゃったなあ。」
手にしたケツ割れにしみ込んだ自分の体液の匂いをかぐと、俺は、さっきの公園での感覚を思い出して、下半身がまたびんびんになってしまった。そのびんびんのものは、大股開きのかっこうで、ケツの穴に自分の指を突っ込みながら、胸と腹に精液をまき散らすまで、元気なままだった。……それにしても、転勤したばかりの俺が、どうしてローカルな公園にいた男を知っているような気がしたんだろう。