「健太は、すぐびんびんになるなあ。」
彼にキスをされながらベッドに押し倒されると、僕は、条件反射で、すぐに勃ってしまう。本当のことを言えば、彼と会うために自分の部屋を出たときから、僕のものはもう、びんびんになっちゃっているのだ。だから、彼と会うときには、いつも、スイミング用のサポータにそれを押し込んでから出かけないと、ジーンズのモッコリが目立ってしまって歩くことさえできなくなってしまう。
「それに、すぐ濡れちゃうし……。」
びんびんになっちゃったものをサポータで押さえ込んでいても、彼にされるだろうことを期待してあふれ出してくる粘液はどうしようもない。だから、彼にジーンズのジッパーを解放される頃には、僕のサポータは、かなり濡れた状態になっていて、先端の赤黒いところが透けて見えてしまっている。
「今日は、健太がどのくらいスケベか試してやるからな。」
彼は、そんなことを僕の耳元でささやきながら、僕の耳たぶを優しく噛む。
「ううっ……。」
こんなことでも、声が出てしまうなんて。僕の体は、もうすっかり発情してしまっていて、彼にどんなことをされても感じてしまう。
「ここを舐めても、ほら、感じるんだろ?」
彼の唇は、すでに、僕の首筋に移動していて、そこからのしびれるような感覚に、僕は、思わずのけぞってしまった。彼の手は休みなく動いて、Tシャツの裾から侵入すると、僕の乳首を捉えていた。
「なんだ、もう、こりこりしてるじゃないか。」
さっきからずっと感じっぱなしの僕の体は、彼に乳首をつままれて、淫乱なフェーズのスイッチが入ってしまう。
「ああっ、だめ……。」
そう言いながらも、まるで、『もっとやって』と言っているようなその声に、僕は、自分でも恥ずかしくなってしまった。彼は僕のTシャツを脱がせると、後ろから僕を抱くようにして、相変わらず首筋に舌をはわせながら、右手で乳首をころがして、左手は、ジーンズのジッパーの間のサポータ盛り上がりをゆっくりと撫でていた。
「サポータなんか、はいてるのか。」
自分で選んでサポータをはいてきたくせに、彼に改めてそう言われると、僕は、恥ずかしさに全身が熱くなった。サポータで押さえ込まなきゃいけないような、淫乱な自分の持ち物をどうすることもできないなんて、きっと、僕は、サポータの中で熱く、堅くなっているものと同じくらい淫乱なんだ。
「サポータの外まで、ぬるぬるが染み出してるぞ。」
僕の感じるところを確実に責めて、僕がサポータの外からわかるぐらいにぬるぬるにしてしまうのを、彼は楽しんでいる。しかも、
「健太は、すけべだからちょっと触られただけでこんなにぬるぬるになるんだよな。」
彼は、僕が感じていることを僕のせいにするのだ。『そんなことない』と言いたいんだけど、彼に、いろんな感じるところを同時に刺激されているので、声を出すことができない。彼は、もう一度サポータの上から僕のぬるぬるになってしまったところを撫でると、
「こんなにびんびんになってるのに、サポータで押さえつけちゃかわいそうだろ?」
そんなことを言いながら、僕のジーンズととサポータを同時に脱がせようとする。もちろん、僕は、早く彼に直にそれをしごいて欲しくて、ケツを浮かして協力するんだけど、僕の痛いほど堅くなったものがサポータにひっかかって、なかなかサポータを脱がせてもらえない。きっと、彼は、僕のものがサポータにひっかかるような脱がせ方をしてるんだろうけど、それがまた僕のものを刺激して、余計に堅くなってしまう。
……ぴたん。
やっと自由になったものが、僕の腹に当たって、小さく音を立てる。そのはずみで、先端からあふれ出していた粘液が僕の腹に垂れて、少しだけ糸を引いていた。
「ほら、こんなにぬるぬるだ。」
彼は、先端からあふれ出している粘液を、僕の赤黒く充血した部分に塗り広げて、そこを手のひらでこねるようにして刺激する。
「あうっ……。」
僕の体は、自分の意志とは関係なく、その刺激にけいれんし、淫乱なうめき声を上げてしまう。

「横になるんだ。」
彼は、僕の肩をゆっくり押して、すっかり裸にした僕をお向けに寝かせた。いったいこれから何をされるんだろう。
「こうしてごらん。」
彼は、そのまま、僕の両足を股裂きするように大きく広げた。
「ちょっとひざも立てて。」
そんなことをしたら、僕の体の隅々まで、彼の視線にさらされてしまう。
「……。」
でも、僕は、彼の言うとおりのポーズをとっていた。
「健太らしいすけべなポーズだな。ちょっとそのままにしてるんだぞ。」
そして、彼は、部屋の隅から三脚を持ってくると、足元から僕の股をのぞき込むような位置に置いて、デジタルビデオカメラを、ちょうど、僕のいきり立ったものに焦点が合うように据えた。
「立っているものを持ち上げて、もっとよく見えるようにするんだ。」
僕は、彼に言われるままに、自分のびんびんになったものの根元に手を添えて、もっとよくビデオに映るようにした。
「そうだ、なかなかいいポーズだぞ。」
きっと、デジタルビデオカメラのレンズの中では、大股開きで自分のものを見せつけるように握っている僕が、しごいて欲しそうな目つきをしているに違いない。僕は、恥ずかしさに顔をそむけようとしたけど、
「ちゃんとカメラを見なきゃ駄目じゃないか。」
彼は、優しく僕をしかって、
「そんな悪い子は、お仕置きをしなくちゃな。」
僕の乳首をちょっときつめに咬んだ。
「っ……。」
僕は、思わずのけぞって、その快感をこらえたけど、デジタルビデオカメラを意識してかろうじてうめき声を我慢した。それなのに彼は、
「カメラを見てなきゃ駄目、って言っただろ?」
僕がのけぞってしまって、カメラから視線をそらせたことをとがめるのだ。
「そんなにお仕置きして欲しいのか?」
今度は、もうぬるぬるになってしまっているところを手のひらでぐりぐりとこね回した。
「あっ……。」
この刺激には、さすがにこらえきれなくて、僕は声をあげてしまったけど、彼に叱られないように、ビデオのレンズの方に顔を向けたままにしていた。
「そうだ、エッチな声を出すときも、ちゃんとカメラを見てるんだぞ。」
そして、彼は、今度は、優しく僕の耳たぶを咬んだ。
「っ……。」
もちろん、彼は、僕がそれで感じてしまうことを十分わかっていたはずだ。僕は、なんとか声を出すのをこらえたけど、そのとき、僕のいきり立ったものの先端から、また、透明な粘液があふれ出してしまったのを、デジタルビデオカメラが冷静に記録していることを、僕は意識せざるを得なかった。

「じゃ、俺は、ちょっと買い物に行ってくるからな。」
彼は、僕がビデオの方を向いたまま、大股開きの姿勢をとっていることに満足したふうで、そんなことを僕に言った。
「え?」
そ、そんな。僕は、その間、いったいどうすれば……。
「俺が帰ってくるまで、そのままの格好でいるんだぞ。もちろん、スケベな健太のことだから、びんびんのままだろうけど、もし、萎えたりしたらお仕置きだぞ。ビデオを見れば、おまえがどんなふうにしてたか全部わかるんだからな。」
つまり、僕は、彼が買い物から帰ってくるまで、この、びんびんのものをデジタルビデオカメラのレンズに視姦されてなきゃいけない、っていうことなんだろうか。
「自分でしごくのはいいけど、もちろん、いったりするんじゃないぞ。」
そして、彼は、ちょっと笑って、
「どっちにしても、ビデオを見ればわかることだからな。健太がどのくらいスケベか、後でちゃんと見てやるよ。」
そして、戸惑う僕をベッドの上に残したまま、部屋を出ていった。
「もし、小さくなってしまったらどうしよう……。」
そうしたら、彼にお仕置きをされてしまう。どんなお仕置きをされるんだろうか。そんなことを考えている僕のものは、何も刺激しなくても、びんびんになったままだった。そして、ときどき、いろんなことを考えては、びくっ、と体をけいれんさせると、そのたびごとに、先端からは透明な粘液があふれ出して、きっと、あとでビデオに写ったその様子を見て、彼に「スケベな健太」と言われてしまうんだろうな、と思うと、僕は、びんびんのものが、ひくっ、とけいれんしてしまうのをどうしようもなかった。
「きっと、彼のことだから、萎えたりしたら、『二度と萎えたりしないように』とかって、ひもで僕の根元を括っちゃったりするんだろうか。」
僕は、今まで彼にそんなことをされたことはなかったけど、インターネットにあったそういう画像を彼に見せられたことはあった。
「それとも、バイブレータとかで、何度もいかされちゃったりするんだろうか。」
彼の持っているバイブレータを、ふざけてびんびんになったものに押し当てられたりしたことはあったけど、あまりに強烈な刺激で、たぶん、ずっと押し当てられていると、それは快感というよりは苦痛になっちゃうんだろうな、と思える経験だった。
「ううっ……。」
そんなことを考えていると、しごいたりしているわけではないのに、僕の下腹部には熱いものがこみ上げてくるような感じになっていた。
「あ、やば。」
まずいと思えば思うほど、下腹部の熱いものは、はっきりと快感の形を取り始めていた。
「そ、そんな……。」
このままでは、いっちゃう、と思うんだけど、デジタルビデオカメラのレンズに見えるように、持ち上げてなきゃいけないので、ヒクヒクなっているものから手を離すことができなくて、指を添えている、という刺激だけで、全身に電流が走るような感じがして、
「あ、いっちゃう、あっ……。」
ケツのあたりからこみ上げてくる快感を我慢することができずに、そのまま、大量の樹液を自分の胸や腹に噴き上げてしまったのだ。もちろん、そんな様子も、ビデオのレンズは冷静に記録し続けていた。きっと、噴き上げている瞬間を、彼は、デジタルビデオカメラをスローモーションで再生しながら、
「カメラに見られてるだけで、こんなにいっぱい飛ばすなんて、やっぱり、健太はスケベだよな。」
と言うだろうな、と思うと、ひょっとしていつまでも止まらないんじゃないかと思うくらい、僕のスケベなものは樹液を噴き上げ続けていた。
「ふうっ……。」
やっと、落ち着いた僕は、自分の胸や腹に飛び散った樹液をそのままにしておかなきゃいけないことに気がついた。このままじゃ、買い物から帰ってきた彼に、僕がどんなにスケベなのか、見せつけてるようなものだけれど、ティッシュで後始末したりしたら、約束を破った、ということで彼にお仕置きをされてしまうだろうし、結局僕には、どろどろだった樹液が、ゆっくりと流れてシーツを汚すのを感じながら、相変わらずデジタルビデオカメラを見つめているしかなかった。でも、もっと恥ずかしいのは、そんな状態にもかかわらず、僕のものは、相変わらずびんびんのままで、全然萎える気配さえないことだった。
「健太にも、自分がどのくらいスケベか、よくわかっただろ?」
そう言う彼の声が聞こえるような気がして、僕は、また、びんびんに勃ち上がっているものを、ひくん、と動かしてしまったのだ。もちろん、そんな恥ずかしい僕の状態を、デジタルビデオカメラは、冷静なCCDの目を通して、記録し続けていた。