知くん子守唄(ララバイ) -D

月曜日, 9月 30, 1996

朝、目が覚めて、腕の中にいるやつがまだ眠ってたら、そいつの寝息が気になる反面で、なんだか取り残されてるような感じもすると思うのだ。
そして、そいつの寝顔がすごく平和だったりすると、余計に鼻をつまんでみたくなったりする。
「おはよう、知。」
でも、たいていの場合、俺が目を覚ました気配で知くんも目を覚ましちゃうのだ。
「おはよう、先輩。」
ひょっとして、知くんは、俺が目を覚ますまで、眠ったふりをして待ってるんじゃないだろうか。
けど、知くんに腕枕してても平気で眠っちゃう俺に対して、
「よく眠れた?」
知くんは明らかに眠そうで、俺の疑惑があんまり根拠のないものであることを露呈してたりする。
「うん……。」
どっちにしてもお寝坊で、放っておけばあと10時間くらいは眠っていても不思議じゃない知くんことだから、このくらいで起こしてやるほうがいいのかもしれない。
「……元気だよなあ。」
それに、眠そうな表情に反して、身体の一部分はこんなに元気に堅くなって起きあがってるんだから、いい加減起きてもいいと思う。
「……うん。」
俺の太腿に押しつけられていた熱いものを握りしめてやると、知くんは、ちょっと恥ずかしそうにうなずいてみせた。
「おはよう、のあいさつは?」
言い方が、ちょっと気障だったかなあ。
「あいさつ、って……。こう?」
淫乱な知くんは、俺が握っているものに、ピクン、と力を入れてみせたりする。
「馬鹿……。」
ポルノ小説の読み過ぎだよ。
「あ、わかった、こうでしょう?」
俺が苦笑していると、知くんは、突然、俺の脇腹をくすぐろうとした。
「こ、こら……。」
こんな攻撃には慣れてるから、知くんの下腹部の突っ張った部分と、割と力強いあごとをうまく押さえて、俺は、知くんにおおいかぶさってその生意気な唇をむさぼった。
「う……ん。」
しばらく知くんの唇をもてあそんでいたけど、そのうち、『おはようのあいさつ』にも少々疲れてきて身体を離すと、
「まぶしい……。」
知くんは、また目をつむってしまう。
「カーテンを閉めるのを忘れてたな。」
やっと目を覚ました陽射しが、ゆっくりとベッドの上に射し込んでいる。
「今日はいい天気みたいだなあ。」
そんなに残念そうに言うなよ。
「カーテンを閉めてやろうか?」
目を覚ました時に、すでに太陽が部屋の中をのぞき込んでいたりすると、なんだか気恥ずかしくなってしまう。
どちらかと言うと、緑深い林の中のように、いくぶん病的な薄暗さこそ、こういうベッドシーンにふさわしいと思うのだ。
「いい、このままで……。」
そんな俺の詩的な思いには理解を示さず、健康的な知くんは首を横に振った。
「明るいのは恥ずかしいから、嫌なんじゃなかったのか?」
俺が部屋を明るくしたままベッドに押し倒したりすると、恥ずかしがるくせに……。
「こんなにいい天気なのに、カーテンを閉めちゃ、もったいないでしょう?」
確かにそういう考え方もあるけど、こんなに明るくちゃ、さすがに俺だって照れくさいよ。
「変な理屈だなあ。」
そうしたら、知くんは、ちょっと恥ずかしそうに苦笑してみせて、
「先輩の顔がよく見えるから……。」
時々、こういう殺し文句を言うからなあ。
「無理しちゃって……。」
ふふふ、実は、俺も、内心では、知くんが悶えるところを、よく見物したいと思ってたんだ。
「でも、カーテンを閉めとかないと、誰かにのぞかれちゃうかなあ。」
貧乏学生の部屋なんか、誰ものぞかないよ。
「ひょっとして、誰かにのぞかれたいのか?」
意外と、知くんは露出症だったりして……。
照れくさいはずの俺が、すでに、エッチモードに入っちゃってるのが我ながらおかしい。
「先輩は、すぐ、そういう方向に話を持って行くんだから……。」
まったく、知くんは、何かまずいことがあると、いつも俺のせいにするんだからな。
「……そうだよ、俺が悪いんだ。」
俺の握ってるものが、さっきよりもっと、カチンカチンなのも、みんな俺のせいだよ。
俺のせいだから、もっと知くんには悶えてもらうからな。
知くんも、俺の握った堅い棒を中心として、卑わいに腰を動かしている。
「……先輩。」
そして、思い切ったように切なげな声を上げた。
どうしたんだよ、そんな顔して……。
「ん?!」
気持ちよくなっちゃうには早すぎるぞ。
「あの……。手を離してくれませんか?」
こんなにぎんぎんのくせに、今さら何だよ。
「こんなになってるくせに……。」
ほら、こんなに興奮してるじゃないか。
「あっ……。駄目ですよ、そんなに強く握っちゃ……。」
ということは、もっと強く握って欲しいっていうことか?
「どうして?」
それとも、握ってるだけじゃ物足りなくなってきたのかな?
「俺、トイレに……。」
なーんだ、……でも、トイレくらいで赤面しちゃって。
「トイレがどうした?」
知くんは、かなり困った表情になって、
「トイレぐらい行かせてくださいよ。」
それがすごくかわいいから、もうちょっといじめてやろう。
「行ってこいよ。」
俺は、あくまで平気な顔で、知くんの朝勃ちん坊を握っている。
「だから、離してください。」
離してやってもいいけど……。
「何を離せ、って?」
なんて、とぼけちゃうんだ、俺。
「……先輩の握ってるもの。」
知くんは、生意気にも、腰を引いて、俺の手から逃れようとしている。
「こんなに勃ってて出せるのか?」
だから、俺は、知くんの腰の動きを利用して握りしめている堅い棒をしごいてやった。
「そ、そんなことしたら、余計、駄目になっちゃうでしょう?」
知くんは敏感だから、俺の手の動きに、ピクン、なんて反応してしまうわけだ。
「じゃあ、トイレをあきらめればいいだろ?」
なんだか、ぬるぬるした粘液がにじみ出してきている気配なのだ。
「だって、もう、限界なんですよ……。」
恥ずかしいぞ、男の子がそんなにべそかいちゃ。
「わかったよ、さっさと行ってこいよ。」
あんまりいじめてもかわいそうだもんな。
知くんが、かわいい裸の尻を見せながらベッドを出て行ったので、俺は、自分に腕枕してまぶしい陽射しに目をつむっていた。
「先輩?」
人の気配に目を開けると、いたずらっぽい表情の知くんの顔が俺をのぞき込んでいた。
「ちゃんと手を洗ってきたか?」
とたんに、知くんがちょっと口をとがらせるのがおかしい。
「俺のこと、まるで子供みたいに……。」
ベッドの中ではてんで子供のくせに、知くんは不満そうにそう言う。
「先輩の身体、暖かいですね……。」
ひんやりした身体が、するっと俺の隣にすべり込んでくる。
「冷たいよ。」
そう言いながらも、ふんわりと暖かい布団の中で、本当は知くんの肌の感触が快かった。
俺が、知くんの身体と触れあった感じを楽しんでいると、
「先輩……!」
いたずら坊主が俺の下腹部に手を伸ばしてきた。
「こら、……よせったら。」
意外とこのあたりに俺の弱点があったりするのだ。
「暖かくて気持ちいい。」
ちょっと冷たい知くんの手に握られて、思わず、ぐっ、と力を入れてしまった。
「駄目だよ。」
知くんに握られると、変に感じてしまうから困ってしまう。
知くんがそんなふうにいたずらをしてくるのなら、俺も本気になるぞ。
「いい加減にしないと……。」
実力行使だ。
「うん?」
知くんは、はっきり言って期待に満ちた表情で、それがまた、犯しちゃいたいくらいかわいい。
「こうしてやる。」
俺は、布団をはねのけて、知くんの両肩をベッドに押さえつけた。
「あっ……。」
知くんは、大あわてで、元気な下腹部を隠そうとしたんだけど、あいにく知くんはデカチンなわけで、うまく隠しきれない真っ赤に充血したものの先端がはみ出してたりするのだ。
「先輩、恥ずかしいよ……。」
俺が知くんの両手をどけようとすると、知くんは小さな声でそうつぶやいて、耳まで真っ赤になってしまった。
「今さら、何が恥ずかしいんだよ。」
俺なんか、こいつをなめた時の舌の感触までよく知ってるんだぞ。
「だって……。」
ほら、堅くなってるものをそんなに押さえつけちゃかわいそうだろ。
「嫌なのか?」
こんなに恥ずかしがっちゃって、すごくかわいい、とは思うけれど、かわいいと思うのと、いじめてやりたい、って思うのとはかなり隣り合った感情らしい。
「嫌じゃないけど……。」
つまり、知くん自身も、両手を無理矢理どけられて、勃ったものを俺によく見て欲しい、と思ってるってことだな。
だから、俺は、知くんの言葉をそんなふうに解釈してしまう。
窓から射し込んだ陽射しが、知くんのなめらかな肌をゆっくり愛撫する。
「さっさと、この手をどけろ。」
今さら抵抗しても無駄だよ。
「たまには、ここも日光浴させてやったほうがいいんだぜ。」
日光浴はどうでもいいとしても、たまにはじっくりながめてみたかったりする。
「また、そんなでたらめ言うんだから。」
でたらめだって何だっていいだろう?気持ちいいことは、気持ちいいんだから。
「いちいちうるさいやつだなあ。」
快感に臆病になっちゃう気持ちもわかるけど、俺には、知くんの気持ちいい顔も見せてくれよ。
「カーテン閉めてくださいよ。」
そんなの今さら駄目に決まってるだろ?
「たまには明るいのもいいんだろ?」
自分でそう言ったじゃないか。
「やっぱり恥ずかしい。」
さっきは俺を挑発してみせたりしたくせに、いざとなると臆病なんだから。
「俺だって、裸じゃないか。」
堅く勃ったもので、知くんの脇腹を突っついてやると、知くんにもその感触の意味がわかったらしくて、
「……。」
意味深なため息をついた。
「素直に言うとおりにしないと……。」
まあ、言うとおりにしたって、この場合、同じことなんだけど。
「え!!」
ほら、知くんだって、期待でのどをごくりと鳴らしてるじゃないか。
「こうだ……。」
俺は、知くんの両手に不意打ちを食わせた。
「あっ……。」
知くんは驚いて抵抗しようとした。
「手をどけろったら。」
俺が本気を出せば、
「先輩、駄目ですよ。」
知くんの勃ちん坊はあっけなく解放されて、ヒクン、と脈打ちながら伸び上がった。
すると、知くんの腹筋と平行に、ヒクヒク、息づいているものの先から、ふっ、と透明な粘液がにじみ出して、知くんだって、結構うれしがってることを証明してしまった。
「もう、こんなにぬるぬるになってるぞ……。」
ぬるぬるしたのを塗り広げるようにして一番敏感な部分を撫でてやると、知くんは腹筋をけいれんさせて息を吐いた。
「だから……、恥ずかしいのに。」
恥ずかしいのなんか理由にならないよ、こんなにあふれさせてるくせに。
「やんちゃ坊主を持ってるくせに、甘えん坊なんだから。」
裏側を重点的に撫でてやると、
「あ……あ。」
なんて、ため息をつきながらも、
「そういう言い方は、……ひどいんじゃないですか?」
まだ強がりを言うんだから、ちょっと苦笑ってしまう。
「でも、こいつはやんちゃだろ?」
身体は素直だ、っていうのは本当だな。口ではなんだかんだ言ってても、俺の手の中のものは、カチンカチンに熱いのだ。
「やんちゃ坊主なんて……。」
それとも、勃たされん坊かなあ。
「そのとおりじゃないか。」
根本から先端までゆっくりと手を動かしてやると、知くんの太腿が、ピク、と緊張した。
「そんなこと……。」
知くんの息が弾んでいたりする。
ぬるぬるになった指先で、裏側を下の方から先端までなで上げながら、
「すぐ勃っちゃう、やんちゃ坊主。」
と俺が言うと、
「俺が勃っちゃうのは、先輩がいやらしいことをするからでしょう?」
本当は気持ちがいいくせに。
「いつも、そうやって俺のせいにするのは、ずるいぞ。」
そんなことを言ってると、もうやってやらないぞ。
「知らないよ、俺……。」
ほら、本当は、もっとやって欲しいんだろ?
「甘えちゃって……。」
知くんは、俺の手を取って、やんちゃ坊主への刺激を催促するのだ。
そのくせ、顔はそむけちゃって、困ったやつ。
「こら、ちゃんと、俺の方を見ろよ。」
気持ちいいんなら、派手に悶えてみろよ。
「う……ん。」
思わず声が出ちゃって、恥ずかしいもんだから、俺に抱きついて誤魔化そうとする。
「知は、まるで、大きい赤ちゃんだな。」
淫乱な赤ちゃんだ。首筋も胸も、どこをなめられたって感じるんだから。
「先輩……?」
知くんが、顔をのけぞらせてうめいた。
「こう、だろう?」
俺が、やんちゃ坊主を、ぬるっ、と吸い込むと、それは口いっぱいになって、ちょっと塩辛い汗の味がした。
「う……っ。」
そんなふうに、俺が知くんの弱点を責め続けていると、知くんの腰がずうっと持ち上がって、俺の口の中のものが一段と堅くなり、ぐっ、ぐっ、と脈打ち始めたのだ。