人しれず

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人しれず、はひっそりとたたずんでいる喫茶店でした

創作

2月 1st, 2011 at 23:19

たぶん、それはフィクションだから安心して書けるのかな、と思う。
いくら元ネタがあるからといっても、
回顧の中で発酵し時間の中で窯変したものだから、
あくまで自分だけの所有物に還元されてしまっているに違いない。

まあ、そういう意味では、現在進行形であろうとなかろうと、
すでに記憶の中に凝ってしまおうとしている時間はあるわけだから、
そこを削りだしてくればいいとは思う。
ただ、それがためらわれてしまうのは、
どこをどう削ってみても、その先には今が透けて見えてしまうからなんだろう。
つまりは、今、この現在の状態を、つまびらかにする勇気がない、ということに他ならないんだろう。

昔はものを思わなかったのかもしれないけど、
だからといって、今も、ものを思っているとは言い難い。
生活に追われている、という表現が全面的に正しいのか、と自問すると
違和感を覚えずにはいられない。
あくまで私小説の域を慎ましやかに守っているのだとすれば、
そろそろ何かものを思うふりをしてみてもいいかもしれない、とふと思う。
今になって思えば、小説というよりも日記の域にとどまっている文章でしかないのだから。

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